「授かり婚」と言うけれど...。素直に喜べなかった22歳の娘の妊娠と孫の誕生

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ペンネーム:こみく母
性別:女
年齢:58
プロフィール:私の娘は県外に就職後すぐに授かり婚をしました。親として祝福したい気持ちと複雑な気持ちの葛藤でした。

※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

私には、27歳になる娘がいます。これは娘が22歳の時大学を卒業後、県外に就職したときの話です。

我が家は、娘に対し過保護であることを自他ともに認めるような家でした。そんな環境で育った娘が、県外への就職を機に初めてのひとり暮らしをすることになりました。

行ったこともない地でのひとり暮らしに、娘以上に私が心配で仕方ありませんでした。しかし、娘が決めたことを応援したい親心ももちろんありました。

娘が就職して半年が過ぎた頃、娘から電話がかかってきました。

内容は、付き合っている人との間に子どもができた、と。世間では「授かり婚」といってよくある話になってきていますが、もともと私はあまり賛成派ではありません。

ましてや、大切に育てた自分の娘がそうなるなんて、想像もしていませんでした。

電話のあともしばらく呆然としてしまいました。相手のこと、娘の体調、今後について...心配ごとは山ほどあるものの、何からすればいいのかわからない状態でした。

それと同時に「急に実家を離れた寂しさからこうなったのではないか」「娘は親になる覚悟をきちんともっているのか」「大学を卒業してこんなにもすぐに母親になるなんて...」など、娘に対する怒りに近い感情もありました。

相手、相手方の両親との挨拶を終えても、自分自身がもうすぐ「おばあちゃん」になるという実感は湧いてきませんでした。

娘は相手の実家にお世話になっていたということもあるのですが、なんとなく顔を合わせづらく、結局妊娠・結婚の報告以外、出産まで娘とは会いませんでした。

 

ついに、娘から陣痛の連絡があり、急いで病院に向かいました。立ち会いを希望してなかったため、待合室で孫の誕生を待ち、陣痛から13時間後元気な男の子が生まれました。私にとっての初孫です。

その顔は、娘が生まれたばかりの時にそっくりでした。

そして、その時初めて、「この子は大切にしてあげなきゃいけないんだ」という気持ちが芽生えました。

 

産後、娘と話す機会をつくりました。

娘は私に頭を下げ、「大学まで行かせてもらって、就職してからこんなにもすぐに母親になって社会経験もほとんどしていないことを申し訳なく思っている」と話しました。

娘自身も親になり、私の気持ちを考え、罪悪感を抱いていたのでしょう。これも娘が大人として一歩成長している証拠だ、と嬉しく思いました。

大切な娘が若くして母親になった、その事実を受け止めるために、私と娘の気持ちの確認と娘の親になる覚悟を聞く必要がありました。

この日娘の気持ちを聞いたことで、私の中でも納得感が生まれたと思います。

子育てに正解はありませんし、子どもの気持ちをすべて理解することはできません。それでも私は子どもの幸せを願い、できることをしてあげたいと常に思ってきました。

社会人半年で妊娠結婚をすることになった22歳の娘は、私が想像していた社会人として働く22歳の娘とは違うけれど、それでも娘は娘です。

そして、自分の娘の子どもが可愛くないわけありません。

今では、月に一度のペースで孫を連れて遊びに来ています。孫はやっぱり可愛いです。これからも孫の成長を楽しみに、それと同時に娘の成長も見守りたいと思いました。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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