親の既往歴って知らない⁉︎病院に付き添ってわかった父の既往歴

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ペンネーム:あめゆじゅ
性別:女
年齢:54
プロフィール:2016年の秋に認知症でパーキンソン病をもった父(85歳)を呼び寄せ、親子孫の三世代で暮らしています。

※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

父の付き添いで病院に行った時、とても困ることの一つに、既往歴の記入がありました。

親子とはいえ、一緒に暮らした期間よりも離れて暮らした期間の方が長いというだけでなく、父には私がこの世に生まれるまでの間の生活もあったわけですから、知らないことは沢山あります。

 

昨年の正月明け、父が夜中に転倒して救急車で運ばれたときがそうでした。

「何か持病はありますか?」「今までに大きな病気はしましたか?」など、救急隊にあれこれ聞かれるのですが、一緒に暮らし始めてそれほど時間が経ってなかったこともあり、答えられたのは現在飲んでいる薬の名前だけ。

意識を失った父の様子からだけでは、救急隊にだって転倒の理由は探れません。病院に着く少し前に意識を取り戻し、その後、ただ足がもつれて転倒したということが分かりました。

 

その一カ月後のとある祝日、父が高熱を出した時もそうでした。高齢者の高熱は「インフルエンザ、肺炎、尿路感染症のいずれかが疑われる」ということで、胸のレントゲンを撮り、見つかったのは怪しい影。高熱の原因は風邪だったにも関わらず、怪しい影のせいで結核を疑われ、その後、CT検査やMRI検査など、何度も病院に通う羽目になりました。

熱が下がってから、本人の口から「二十歳そこそこくらいの頃に、結核にかかったことがある」という申告がなかったら、まったく知らない既往歴です。結局、怪しい影は60年以上前の結核の跡で、今は何の問題もないことが分かりました。

 

ショートステイの申し込みの時に提出する「診療情報提供書」を、主治医に書いてもらう時もそうでした。そのために行なったHCV(C型肝炎)抗体検査で出てしまった陽性反応。そういえば、私が結婚したころにC型肝炎が見つかったとか、インターフェロンで治癒したとか、そんな話があったっけ? それっていつのことだっけ? そんなことは四半世紀以上前のことなので、何歳の時だったなんて認知症の父はおろか、私にだって答えられません。結局、専門医を受診し今は何の問題もないことが分かりましたが、ハラハラします。

「他にかかった病気はないよね? 大きな手術をしたこともないよね?」「たぶん、ないと思う」そんな親子の会話です。子どもの頃までさかのぼって、喘息があったとか、何かのアレルギーがあったとか、最近になってからも、CT検査の造影剤で具合が悪くなったとか、認知症状もある父からは、正確な答えは返ってきません。

 

そんな父の既往歴ですが、その結核を疑われて受けたMRI検査で、偶然にも虫垂(ちゅうすい)粘液嚢腫が見つかりました。半年ほど経過を観察していたのですが、最近受けた検査でそれが大きくなっていることがわかり、先日、摘出のために開腹手術をしたのです。

そんなこんなで、今回一つ増えた既往歴。この「虫垂粘液嚢胞腺腫」は、書くのも覚えるのも難しい病名なので、手術した時の父の年齢とともにしっかり記録です。

すでに平均寿命を超えた父。これからも、何かと病院にお世話になるでしょうから、既往歴の記入に困らないように、いつも持ち歩く後期高齢者医療保険証やお薬手帳と一緒に、既往歴メモもいれておこうと思っています。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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