20代で結婚して、2男1女を授かり、主婦として暮らしてきた中道あんさん。でも50代になると、夫との別居、女性としての身体の変化、母の介護...と、立て続けに「人生の転機」が訪れます。そんな激動の中で中道さんが見つけた「50代からの人生を前向きに過ごすためのヒント」をご紹介。今回は生き生きと過ごす息子の姿から思うことです。
前回の記事:金、健康、孤独...「老後の不安の3K」50代の私なりの向きあい方
同居する長男は平成2年生まれの29歳。令和2年に30歳になります。
色白で本当に可愛い子供でしたが、外見はええおっさんになりました。
生まれてきた時には、健康でさえあればいいと思っていたのに、いつの間にか「這えば立て、立てば歩けの親心」。
なんでも人より優れた子になって欲しいと、期待しすぎた。
褒めるよりは叱るばかり。口が達者で2歳くらいから親子喧嘩は日常茶飯事。
「ママが悪い!ママのせいや」、しまいには「地球が丸いのもママのせいか!」というくだらない言い合いをよくやっていました。
26歳で母になり私も若かった。
未熟な大人が子供を育てていたのです。
子供が一つの「個」であることに気が付くまで20年近くかかりました。
長男が20歳になった時、成人のお祝いの言葉に添えて、自分が親としての未熟さを詫びるメールを送りました。
息子の芽をことごとく摘んでいったなと本当に申し訳ない気持ちになったのです。
するとすぐさま電話があり「何があったんやー」とびっくりされました。
思いを話すと「なんやそんなことか」という感じであっさりしたものです。
あれから10年。
まさかこんなにおっさんになるとは思いませんでした。
長男の趣味は釣りです。
仕事が休みの前日、夜中に起きて釣りに出かけます。
そのエネルギーの注ぎ具合といったら「夢中」って息子のためにある言葉ではないかなと思うほど。
2歳くらいから、好きなことに対する集中力は半端なく、それは生まれもった気質、個性かなと思っています。
息子を見ていると何度もドラマや映画になっている『釣りバカ日誌』の主人公"ハマちゃん"を連想させる。
ものすごい釣りバカで、仕事よりも釣りに夢中。夢中すぎて仕事中も釣りのことばかり考えて失敗も多い。仕事をサボって釣りに行っちゃたり。
普通ならクビになるような社員なのに、なぜか会社の社長と釣り友になるという。幸運の持ち主。
うちの息子もいつの間にか会社ぐるみの釣りバカになり、常に会社の会長、社長、上司の誰かと釣りに出かけています。
今の時代はネットで情報収集するので、そのスキルのある人がよく釣れるんだそう。
なので、大抵は大漁。
それを取引先やお客様のところに届けにいくという。
遊んでいるんだか、仕事をしてんだか分からない。
今日も会社帰りのサッカーの試合に助っ人で出るとか。
「えー10年以上グランドを走ってないで」「喫煙者なのに、走れるか?」「どう考えたって無理じゃないか」と思うのに、高校生時代の練習着を持って出勤していきました。
「あんなのでいいんだろうか?」と思うことはしばしばあります。「もっとちゃんとして」と思うことも毎日あります。
でも、息子を見ていると「人生がとても楽しそうだなぁ」と思うのです。
最近思うことは、人は人生を楽しむために生まれてきたんだと。
そして、その楽しみは本人にしか分からないこと。
人生には正解も不正解もないんだろうな。本人さえよければいい。と息子を見ているとそう思います。
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