<この体験記を書いた人>
ペンネーム:さなり
性別:女
年齢:55
プロフィール:55歳パート勤務。主婦。子ども2人。
92歳の義父、84歳の義母は、我が家から20分ほど離れた所に2人で暮らしています。
義母は潔癖症だったため家の中は常に清潔。
家事もちゃきちゃきとこなす人でした。
しかし、数年前から義父に認知症の症状が出始め、粗相を頻繁にするようになってから、義母の負担が増え始めました。
私達は義父に尿取りパットや紙おむつを勧めましたが、プライドが高い義父は頑として聞き入れてくれません。
ですので義母は粗相の後始末に追われるようになりました。
そしてこの頃の義父は、とてもしっかりしている時と、ぼぉーっとしてしまう時とがあり、まるで全くの別人のようでした。
義母は一日中そんな義父の相手をしているため、精神的にも鬱々としてきてしまいました。
当然だと思います。
会う度に「なんか疲れちゃって、家事をするのが億劫になってきた」と言っていました。
そして昨年、義父が家の中で転んでしまい、大腿骨を折って3カ月ほど入院をしました。
退院する時に医者や看護師からは、在宅介護は難しいから施設へ預けた方がいいと言われた義母。
主人も私も義母の負担を考え、施設にお願いする方向で話したのですが、義母は「パパが可哀そう。私は大丈夫だから、自分が倒れて面倒見れなくなるまでは、家で面倒をみたい」と在宅介護を希望したのです。
結局義父は退院後、自宅療養ということになりました。
しかし、現実は義母が思っていたより大変でした。
義母はいつも身だしなみにも気をつけていて、髪を綺麗に結い、薄化粧をしていましたが、化粧をしていないことが増えてきました。
そして家を片付けたいけれど「気力が出ない」と。
あの潔癖症の義母が、です。
私ができることはやるからと言っても、私に遠慮しているのか、自分の領域に入ってほしくないのか、やんわり断られてきました。
ですので、私はそのまま手を出さずにいたのですが......
先日とんでもない光景を目にしてしまいました。
用事があって主人の実家を訪れ、長い時間滞在したのですが、8室ある部屋の1室以外が、すべてゴミが詰まったビニール袋で足の踏み場もなかったのです。
プライドが高い義母は、私に現状を見られたのが恥ずかしかったのか「気分が乗った時に自分のペースで片付け始めてるから大丈夫」と言います。
本当はすぐにでもゴミをどうにかしたほうが、と思ったのですが、義母のプライドを踏みにじるようなことはしたくないので、何もできませんでした。
今もなにも手を出せない、触れられない......の状態が続いています。
どうすればいいのか途方にくれています。
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