母子家庭だから?息子のトラブルを解決できず無力さに涙

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ペンネーム:ダイチママ
性別:女
年齢:47
プロフィール:母一人でも子供を守れると信じて頑張って生きてきましたが、小学6年生になったころから、反抗期や、他の家庭とのつきあい等に悩む毎日です。

※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

私は息子が4歳の時に離婚しました。原因はパートナーが実家から離れることができず、彼の両親との意見の不一致でした。実質2年ほどしか一緒にいなかった結婚生活。離婚にためらいはありませんでした。

実家に戻った私と息子でしたが、私の元パートナーと仲が悪かった私の両親は息子を可愛く思ってくれず、また私も職場と実家が遠いことから、息子が小学4年生の時に引越しました。

 

引越し先は公務員が多い地域で、転入生が毎年30人ほども居る学校だったので、転校自体は問題なく息子は新しい学校に馴染んでくれていました。元々大人しい息子ですが、同じように大人しい友だちも増えて毎日遊ぶようになり、実家にいた頃よりも自由な生活ができるようになって楽しんでいました。

 

小学5年生になっても仲のいい友だちは多く、問題はなかったのですが、5年生の終わりごろから思春期に差し掛かった息子は、次第に反抗的になり、気難しくて屁理屈を言うようになってきました。それでも、本来の息子の優しい性格からか、辛い衝突はありませんでした。ただ、同時に周りの子たちも難しい時期に差し掛かっていたのです。

 

小学6年生になり、お兄さんのような先生が担任になって、なんだかとても楽しげな様子に。女親には話せないことも相談できるなと安心していました。

ところが、次第に息子の様子が変わってきたのです。学校のことを話すにしてもなんか友だちのことを話したがらないし、よかれと思って手伝おうとしたら同級生からお節介と言われた、と悲しげな表情で相談してくることもありました。なんか気になるけれど、しっかりした子だから、と任せてしまっていました。

 

ある日、何気なく話をしていたら、友だちにお金を取られたと息子が訴えました。部活動やクラブ活動に参加する子が増えてきて、何も部活をしたがらない息子には遊び友だちが少なくなってきていました。同じように部活動をしていない子どもたちは行き場がなくて、昼間仕事をしていて不在にしている我が家に私も知らないうちに、たまるようになっていたのです。

学校では保護者が不在の時間帯に友だちの家で遊んではいけないというルールがあるのですが、友だちが少なくて、遊んでくれる人がいることを嬉しく思う気持ちもあって、いつの間にか、自分の家をわが物顔で出入りする友だちを拒絶できなくなり、何か面白いことをさせろと言われて、ゲームの賞金として小遣いを出させられることにもなっていたようです。それを大人しい息子は訴えることができなかったようです。

 

事情を聞いた私は、学校に行きたがらない息子と一緒に学校に行き、担任の先生に話をしました。他の子たちにも聞いてみますという返事に心配しながらも仕事に行きました。夕方、先生から子どもと一緒に学校に来て欲しいと連絡があり、学校に行くと、お金を取ったという子どもたちとその両親たちが来ていました。

何がどうなっているのかと思っていたら、先生から、息子たちがゲームをしていて友人から商品がないのかと詰め寄られた際に、息子が自分から小遣いを渡していたのだ、だから取ったのではない、悪いのは息子だ、と言われました。

呆然としていると、「賞金としてもらったものなのだから、返せというお前は卑怯だ」と大声で私たちに怒鳴る他所のお父さん。「お金をもらうなんて、情けない。お金は十分与えているのに。」という他所のお母さん。

私たち二人は援護されることもなく、1時間近く、卑怯だ、友だちなくすぞ、ろくな大人にならんぞ、と言われ続けて話し合いは終わりました。

みんなが帰ったあと、担任の先生に「守ってあげられず、すみません」と謝られました。

 

帰りの車の中で、堰を切ったように涙が溢れて止まりませんでした。私がしっかりしていたら、子どもの寂しさとか、辛さとか分かってあげれていたら、不本意な人付き合いを我慢することはなかったんじゃないか、後から思えば何か違和感があったのに、その時は気のせいと思い込みたくて目をそむけていたんじゃないか、と自分の態度を悔やむことは山ほどあって、自己嫌悪でした。

 

私と息子は息子が4歳のころから合気道を習っており、師匠と仰ぐ先生にこの件を話しました。するとそういう話し合いの場に二人きりで行くものじゃない、今度からは私たちに相談しなさい、誰かが必ずついて行く、と言ってくださいました。

相手の子どもたちの方はどちらもお母さんよりお父さんがしっかりにらみを利かせられていて、それに対して担任の先生もしゅんとしていました。こちらは母と子だけで、しかも父親の顔も覚えていない子が、他所のお父さんに怒鳴られる経験は肝が冷たくなって、二人で震えを抑えるので必死でした。

そんな思いも、擁護してもらえる存在があれば少しはましだったのかと思うと同時に悲しい思いでした。

 

それからは、学校に頼る相談をしなくなりました。二人でしっかり相談し、それを師匠や、年上の職場の先輩といった、経験豊富な人たちに聞いてもらい、自分の考えの足りない点についてアドバイスを受けて賢く立ち回るように努力しています。あの悔しさを絶対忘れず、自分たちに落ち度がないように気をつけて。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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