デイサービスを嫌がっていた父。でも通ってみると?

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ペンネーム:あめゆじゅ
性別:女
年齢:54
プロフィール:認知症でパーキンソン病をもった父(85歳)を呼び寄せ、三世代6人で暮らしています。いろいろと学ぶことの多い介護生活を送っています。

「ちいちいぱっぱなんて、やってられるか!!」そう言って怒鳴ったのは9年前に77歳で亡くなった夫の父。デイサービスのことをそう言って嫌っていました。糖尿病で人工透析が必要、その上認知症の症状もありましたが、義父はデイサービスには一度も行くことありませんでした。

昨年の秋から同居している85歳の実父も、最初はデイサービスに行くことを嫌がりました。一日拘束されるのは嫌だ、というのが父の言い分でした。

実家で一人暮らしをしていた父に認知症の症状が出ていたため、呼び寄せて同居をすることに決めたのですが、用意が整ってこちらに引っ越してくるまでの間、とにかく外に出る機会をもって欲しいと思っていました。そこで、なんとかデイサービスに行かせられないかインターネットでいろいろ調べると、実家の近くに半日だけのリハビリ型のデイサービスが見つかったのです。引っ越しまで3カ月あるので、「少しでも運動をして体力をつけておいて」などと適当な理由をつけ、リハビリだから、運動をさせてくれるんだからと目的を持たせる方向で話をすすめ、週に2日だけでも通うように説得しました。

このリハビリ型が、父のデイサービスのイメージを良い方向に変えてくれました。もともと運動が好きではない人でしたが、ちょうど体力の衰えを感じていた父のツボにはまり、父ができなくなりつつある歩行を重点的に指導してくれたこともあって「もっと早くから行けばよかった」と言うまでになりました。

呼び寄せて同居をはじめてから、こちらでも似たようなデイサービスを探し、見学を兼ねた体験には私も同伴して、父と一緒にリハビリ型を中心に何か所も見て回りました。スポーツジムが母体だったり、少人数でアットホームなところだったり、また、散歩や料理、庭仕事や地域貢献も活動に入れているところなど、デイサービスもいろいろです。しかし、父はなかなか首を縦には振らず、前に通っていたところの方がよかったとか、こちらに来るために仕方なくデイサービスに通っていたのだとか文句たらたら。気に入らなければ行くのをやめていいからと、窓から見える富士山が印象に残った半日のリハビリ型のデイサービスに、とりあえず週1日だけ通ってもらうことにしました。

それでも、デイサービスのない6日間を一日家にいて寝て過ごすだけでは、認知症の父のためにも良くないし、私もストレスフルです。そこで、ちょうど父にパーキンソン病が見つかったこともあり、家でのお風呂は怖いのでデイサービスでお風呂に入ってきてはどうかと、もう1カ所通うことを勧めてみました。一日はお風呂に入れてもらうのだから、デイサービスで活動して過ごす時間は一日です。

2カ所を見学し、珍しく男性が多かった方に、「嫌ならやめる」を条件にして週2日通うことにしました。最初はしぶしぶだった父ですが、お風呂がとても気に入ったようでした。お風呂は車いすのようなものに乗ったまま大浴場らしき浴槽に入り、その車いすのようなものが傾いて浴槽にゆったり浸かることができるということらしく、父は「大名風呂」と命名してとても気に入ってます。

デイサービスも通い始めてみれば、送迎の車の中でのおしゃべりや、施設の方や同じような利用者さんとの触れ合いもあり、見知らぬ土地に来た内向的な父に人のつながりができたのも大きな収穫です。

今では週3日、やめることなく2カ所のデイサービスに喜んで通っています。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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