認知症になった母。夜中に何度も起こされ、自分が参ってしまうと感じた私は...

認知症になった母。夜中に何度も起こされ、自分が参ってしまうと感じた私は... 15-pixta_17935832_S.jpg

ペンネー:みすず
性別:女
年齢:55
プロフィール:フリーで仕事をしている55歳独身の私は、現在87歳の母との二人暮らし。母の入院、突然の認知症発覚ににショックを受ける間もなく、はじめて介護の問題が立ちはだかっています。

父が亡くなってからの28年間、母と二人きりで暮らしています。母はしっかりしていて、何に対しても丁寧で几帳面な性格です。そんな母は、早くも今年、2017年7月に87歳の誕生日を迎えました。

昨年、母は直腸の手術のために6カ月入院し、その後リハビリ目的で5カ月入院の計11カ月の病院生活をおくり、今年の4月にやっと退院しました。
入院前までは、母はすべての家事をやり、しっかりと元気に生活をしていました。しかし、手術を終えて1カ月経った7月末、私が母を見舞っていた時のことです。夕食を済ませた母と、何気なく会話をしていたら、急に「夕食、まだかなぁ」と言ったのです。「え、たった今食べたやん」と返すと、「食べたかねぇ...」と何か目の視点がうつろ。血の気が引きました。
この時から、母の認知症を感じはじめました。やはり、最初は受け入れることができない自分がいました。まさか、あの母に限って。きっと一時的なものだと思うことで、とりあえず自分を慰めていました。クロスワードが好きだったのにやる気もない母、直前のことでも忘れることが多く、昔はみんなの誕生日もしっかり覚えている人だったのに、子供の誕生日すら思い出せないのです。

退院を前にした10月、病院の先生の勧めで日常生活の予行練習にと外泊をした時は、自宅なのに落ち着きがなく、夜中頻繁にトイレに行きたがりました。

その時は、母は自分で歩けはするのですが、病院でのベッド生活だったので筋肉も衰え、床に座ったり立ったりすることが困難な状態でした。しかし、自宅にはベッドもなく畳の上で寝るしかなかったので、私が母を抱えて立たせたり座らせたりしなければならないのです。

その度に起こされ、しまいには「たった今行ったばっかりやん」と母に言ってしまう始末。

その時、退院してからの母との生活はどうなるんだろうという思いが脳裏を横切り、不安でたまらなくなりました。母とは早く自宅で一緒に暮らしたい、でもこの様子では、多分私の方が参ってしまうのではと思いました。

このままではいけないと感じた私は、病院の先生に相談して、リハビリ専門の病院を紹介してもらい、転院することにしました。そこでの5カ月のリハビリの生活のおかげで、安定感のなかった歩行も安定し、一人で畳に座る立つの動作ができるようになったのです。物忘れは治らないものの、子供の誕生日はちゃんと言えるようにまで回復しました。そして、リハビリ病院の入院期間は、母ばかりでなく、私にとっても母の認知症、イコール介護ということを受け入れる、心のリハビリ期間にもなっていました

退院を控え、退院後の母の介護のための施設を紹介してもらったり、二人の生活を視野にいれはじめた時に、やっと自分なりに母の認知症を受け入れることができました。もう、昔の母には戻れない。しかし、母は母だから現状の母と楽しく生活しようと思った時、少し気が楽になったのです。幸い母は、紙パンツは必要ですが自分でトイレも行けます。ただ心配なのは、物忘れと転倒、手の力がないので、料理をはじめ洗濯など主な家事ができないというようなところです。現在デイサービスは、週に3回利用しています。私の仕事は、なるべく在宅でできるようにしました。母を見ながら仕事をし、1日中仕事でいない時には、デイサービスを利用しています。

最初は、デイサービスに行くのも嫌みたいでしたが、私の仕事を理解しはじめたら、自分の意志で行くようになりました。茶碗を洗ったり、洗濯物をたたんだりの手伝いもしてくれるし、野菜を切ったり、手の力がないながら負担がかからない事は自発的にしてくれます。

ただ、物忘れは相変わらずひどく、物覚えには期待できないし、服を選び着替えるような一つの行動に時間がかかり、出勤前にデイサービスに送る時は、「早くして!遅くなるよ!」と促すのは毎回。時には、トマトが冷凍庫に入っている事もあるし、戸締りが出来ないなどもありますが、退院して3カ月が過ぎ、ようやく生活も落ち着きました。

しかし、これから先、母の症状が進んだり身体が弱ったときは、下の世話も必要な、寝たきりになる可能性も視野にいれなければなりません。いつかは、私が誰だか分からなくなるかもしれません。母は笑いながら、「何も分からなくなったら、その時は、施設に入れてね」と言いますが、将来本当にそうなる可能性もあります。

いつまでも、母と二人で幸せに暮らしたいと思っていますが、その時がきたら、まずはしっかりと現実を受け止める事からはじめるのが大事だと思います。

母のために自分がしてあげれる事は、出来る限りしてあげたい。その思いはありますが、それは必ずしも自分自身が介護をすることとは限らないのでは、と最近思っています。施設で専門の人に介助してもらう方が母も快適に過ごせるという面もあるかもしれません。

状況に応じて、母にとっても、私にとっても一緒に笑顔でいられるべストの選択をする事が大切だと思います。今は、母の認知がこれ以上進まないようにデイサービスと日々の生活で頑張っていこうと思います。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
記事に使用している画像はイメージです。
 

この記事に関連する「みなさんの体験記」のキーワード

PAGE TOP