20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として暮らしてきた中道あんさん。でも50代になると、夫との別居、女性としての身体の変化、母の介護...と、立て続けに「人生の転機」が訪れます。そんな激動の中で見つけた「50代からの人生を前向きに過ごすためのヒント」。
子どもの頃の影響もあってか、中道あんさんが麦茶をつくるときはお湯を沸騰させて煮出していました。自分自身、それほど好きではなかった麦茶。あるきっかけで麦茶作りをやめてみることに...
【前回】今の季節の体からの小さなSOS。仕事をするよりも大事な、自分の調子を整えること/中道あん
【最初から読む】仕組みを作って安心。ひとり時間が多い親の見守り/中道あん
夏と言えば、冷たい麦茶が美味しい季節ですよね。
亡くなった母はお茶をよく飲む人で、季節を問わず一日中といっていいほど、麦茶やウーロン茶を沸かしていました。
自分ひとりの分だけではなく家族4人分ともなれば、相当な量。
作っても、作っても、足りないとよく愚痴をこぼしていたものです。
その影響でしょうか、我が家では麦茶を常備。
一年中、麦茶を作っていました。
今は水出し麦茶という便利なティーパックがありますが、水道の水を直接飲んだら体に良くないのではと思い、お湯を沸騰させて煮出していました。
それを今度は洗い桶に張った水に浸し、粗熱を取るという作業。
一言で麦茶作りといっても、手間のかかる家事の一つでした。
1.ヤカンを火にかけ水が沸くまで見ていなくはいけない。
2.粗熱が取れるまで何度となく桶の水を交換する。
3.麦茶ポットに移し替え冷蔵庫で冷やす。
といういくつもの作業があります。
ヤカンのお湯を吹きこぼさないように、また、忘れないようにお湯を沸かしている間はそばで見ていなくてはいけません。
ヤカンを火にかけると必ず見張り番が必要なのです。
さらに面倒なのは、手入れが大変ということ。
ヤカンにこびりついた麦茶の茶渋を洗い落とさないといけないので麦茶ポットも空になるたびに丁寧に洗うという。
また次に麦茶を入れるのだから洗う必要もないようにも思いますが、清潔感を保つために...という義務感から毎回洗っていました。
そうそう、子どもが小学生の頃、うっかり麦茶を作るのを忘れて、お店にペットボトルのお茶を買いに行って水筒にいれて持たせたことがあります。
私の場合、それが時々あったのです。
家族が多かったということもありますが、私自身、それほど麦茶が好きじゃなかったので、
面倒くささから麦茶作りを忘れてしまうのでした。
「麦茶を作ってくれてありがとう」なんて家族の誰も思ってはいませんが、ないと「お茶がない~」と文句を言われる。
どうして「冷水」を持たせなかったんだろう、と今になって思いますが、これも「こうでなきゃダメ」という思い込みからでしょうね。
子育て中、麦茶はなくてはならない存在で、その習慣が子育て終了後もずっと続いていました。
...だったのですが、家で一番麦茶を飲んでいた娘が独立したのをきっかけに、麦茶作りをやめてみたのです。
ヤカンや麦茶ポットの管理が面倒、麦茶のパックをすぐに買い忘れる...などあって、いっそ「お茶を作らないでおこう」と思い立ったのです。
水道の水をそのまま飲まないという習慣がありましたが、息子曰く
「子どもの頃から学校の水道をそのままガブガブ飲んでいたけど、どうもないで」。
彼は家でも水道水をよく飲んでいる。
今さら、「水道の水は...」なんて言っても説得力はありません。
そこで浄水ポットを使って水を飲み始めたら、別にお茶じゃなくてもいいんじゃないかと思うようになったのです。
緑茶が好きだったのですが、それを飲む代わりに「白湯」や「水」を飲むようになりました。
美味しいとは感じませんが、不味いとも感じません。
でも喉を潤すにはちょうどいい感じ。
外出時にもマイボトルに水を入れて持ち歩いています。
なんたって手軽です。
お茶だとボトルに茶渋が付きますが、水だとその心配はありません。
なのでお手入れは楽ちんです。
30年間使い続けたヤカンを手放すのは寂しい気もしましたが、その代わりにキッチンがスッキリ片付いて気持ちが良いです。
麦茶ポットは手作りの出汁をいれるポットに役目を変えました。
これから益々熱くなる夏、「麦茶作りが大変」と思われている人に「水がいい」という選択肢もあることを知ってもらえればうれしいです。
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