別居中だった夫の死。10年ぶりに元我が家へ行くと、ご近所からはクレームの嵐/chii

モラハラDVにより別居していた夫が急逝して、早4カ月たち、私の気持ちもだんだんと落ち着いてきました。

【前回】別居中の夫が孤独死。10年ぶりの元我が家は、家を出た「あの日」で時が止まっていて

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戸籍謄本を見ると、夫の死亡日が記入されているのですが、そこには「推定」と書かれていました。

孤独死した夫は、亡くなってから数日たっていたそうですが、解剖をしてもはっきりとした死亡日はわからなかったのです。

夫の命日は、この日でいいのだろうかと、戸惑っています。

夫が亡くなっていたという知らせを受け、まず思ったのは、やるべきこと山積みで何から手をつけていいかわからないということ。

どうしよう、どうしようと、気持ちばかり焦っていました。

そんな時に、隣の奥さんから電話がかかってきました。

警察では教えてくれなかったけれど、夫の様子がおかしいと通報してくれたのは、たぶん隣の奥さんだと思います。

何日も、庭にトラックが止まったままだったこと、町内会の回覧板を玄関前に置いてもそのままだったので、警察に通報してくれたのでしょう。

この件に関しては、隣の奥さんに感謝しています。

しかし、電話の内容は、いきなりクレームでした。

大変だったわね、ご愁傷さまでしたと言った後、一日も早く木を切ってくれというクレームでした。

確かに、元わが家の庭の木はすごいことになっていて、まるで森のようになっていたのです。

その枝が、隣の家のベランダにまで伸び、電線に絡んでいる葉っぱや枝もあり、漏電や停電を心配されているようでした。

火事になったらどうするの?責任とってくれるの?とまくし立てる隣の奥さん。

夫のことを怖がっていた近所の方たちは、夫に言えなかったことも、私なら言えるのでしょう。

しばらくクレームは続き、はっきりと言わなかったけれど、やっと死んでくれた、これで木を切ってもらえると内心思っていたのではないかと。

隣の奥さんは、さんざん迷惑かけてきたんだから、○○さんと○○さん宅へ、菓子折り持って謝りに行った方がいいのでは?と言いました。

夫が迷惑をかけてきたことは事実なので、菓子折りを三つ買い、隣の奥さんと、わが家を囲っている二軒のお宅に謝罪に行きました。

近所の方は、みな口をそろえて、元わが家の木に、どれだけ迷惑をこうむってきたかをまくし立てました。

ただ頭を下げるしかなく、まず木を何とかしなければと思いました。

すぐに伐採業者に連絡を取り、見積もりをお願いすることにしました。

この伐採業者が、後に悪徳業者だとわかったのですが、とんでもない金額を提示されました。

見積もりを取りに元わが家に行った時、物音を聞きつけた隣の奥さんが出て来て、伐採業者に、ここもあそこも全部切ってくれ、最後は消毒もお願いねなんて言っていました。

費用を負担するのは、私なのに。

クレームがすごいから早めにお願いと言った私の頼み事を聞いた悪徳業者は、その場で70万円という金額を提示してきました。

えっ?高いととっさに思ったものの、隣の奥さんからのクレームがストレスになっていた私は、一日も早く解決したいからと、サインをしてしまったのです。

70万円は手元になく、どうお金を工面するか考えながらも、知人に相談してみると、それ、ぼったくりじゃない?いくらなんでも高すぎると。

元わが家はいずれ解体する予定で、その時にすべての木の伐採も頼むつもりでたので、この時の伐採は応急処置的なもの。

それに高額をかける必要はないと助言してくれた知人もいました。

もしかしたら足元を見られているのでは?と、そこでハッと気が付き、業者にキャンセルの電話を入れました。

夫が残していったものの後始末、しょっぱなからつまずいてしまいました。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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chii

モラハラDV夫の家を飛び出し、10年目のchiiと申します。離婚には応じてもらえずに、現在も熟年別居中です。つい最近、共に暮らしていた大学生の息子が自立をして一人暮らしになりました。某スーパーでサービスカウンターの仕事をしています。パートなので生活は楽ではありませんが、結婚生活が地獄だったからこそ、現在の一人の時間に幸せを感じています。別居直後から書き出した「60代小さく暮らす」お一人様の老後がテーマの「お茶のいっぷく」を書いています。

※毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

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