かつてモラハラDV夫との地獄のような結婚生活を送っていたchiiさん。夜逃げのように逃げ出し、別居9年めを迎えていますが、つい最近、夫から電話があったそうで...。
【前回】子どもと離れて一人暮らしを始めた今、じわじわと身に沁みる「亡き母の孤独」
先月のこと、別居中の夫から久しぶりに電話がありました。
留守電に入っていたので、折り返し電話をしてみると、「おまえ、俺のキャッシュカード持ってるだろう? 返せ!」と怒鳴りまくる。
これは、前にも言われたことがあり、その時は自分の勘違いだと納得したはずです。
70歳になった夫は、ついにおかしくなってしまったのか。
夫は、自営業をしていますが、年金を受け取ってません。
私と結婚する前、若い時から年金未加入だったのです。
その事実は、結婚後に知ることになり、私はあせって個人年金に加入してもらいました。
その個人年金も、まだ同居中であった時、生活が苦しくなり解約してしまったのです。
年金がないので、今も細々と仕事をしているのか、貯金を崩して生活しているのか、まったくわかりません。
ただ近い将来、食べていけなくなる日がくるのではないかと、心配しています。
私や、子どもたちに助けを求められても、本当に困ります。
18歳で家を追い出された娘は、父親の存在を忘れて生きています。
大学院生の息子は、今、人生の大事な時で、就職活動をはじめています。
息子にも、時々、夫から電話があると聞きました。
内容を聞いてみると、庭の木がボウボウだから、切るのを手伝ってくれということでした。
息子は、いいよと答えたらしい(結局は行かないですんだようです)。
いざとなったら、親父を助けるとも言っていました。
「そんなことしなくていい、お父さんにどんな目にあわされたか覚えていないの? 大変な思いをして大学に入ったこと忘れたの?」と私は言うのですが。
私は、もう仕事ができなくなったと訴えてきた夫に、生活保護の申請をすすめました。
私も子どもたちも、自分の生活のことで精一杯、間違っても、息子が社会人になった後もたかるようなことはしないでほしい。
「はぁ~何バカなこと言っているんだ、生活保護は持ち家があると申請できないんだよ」
だったら、持ち家も土地も手放して、高齢者住宅に入るのはどうかとすすめてみたのですが、また電話の向こうで大きな声で怒鳴り始めました。
「親父とおふくろが残してくれた大事な財産を、売れるわけがないだろう、おまえは本当にバカだ」と。
これが、夫の本音であり、別居に至った原因の1つでもあります。
夫にとって大事なものは、家族よりも財産だったのです。
おまえは長男だからこの家の財産を引き継いで守っていくことが使命だ、みたいなことを亡き義両親に言われていたらしいです。
この言葉がすべてです。
夫は今もそのためだけに生きています。
お金に縛られながらも、70歳で一人暮らす夫、いつ破綻するのかは私にもわからないけれど、ある意味、可哀想な人だって思います。
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