「俺を捨てないでくれ」DV夫に懇願されて...夫から逃げる覚悟と準備/chii

モラハラDV夫との異常な結婚生活を振り返っています。

いろんなことを乗り越えて、今やっと平穏な暮らしを取り戻すことができました。

本当に波乱万丈な結婚生活だったのですが、その中でも忘れられない出来事を書いていこうと思います。

【前回】「お子さんのために逃げる勇気をもってください」DV夫から離れる覚悟を決めた一言/chii

【最初から読む】モラハラ結婚生活から熟年別居に至るまで。新婚旅行先のハワイで夫は豹変した/chii

「俺を捨てないでくれ」DV夫に懇願されて...夫から逃げる覚悟と準備/chii pixta_57800363_S.jpg

私の人生の最大の断捨離は夫を捨てたこと。

新婚旅行先でモラハラを知ってから、何度も何度も別れようと思いました。

すぐに別れなかったのはやはり子どもたちのため、どんな父親だとしても両親の離婚は嫌だったんですね。

「お母さん我慢して」と何度も懇願されてきました。

そして我慢我慢の日を抜け出す日は突然やってきました。

息子が中3の時です。

夫が高校受験の邪魔をし、そして暴れて警察沙汰になりました。

そして息子からもう逃げよう、俺も連れて行ってくれの言葉。

これで気持ちが固まったはず、それなのに、私の気持ちは揺れに揺れたのです。

その頃、私たちがいなくなるのを察したのか、夫は何度も「俺を捨てないでくれ」と懇願してきました。

いつも高飛車だった夫の変わりように心は大きく揺れました。

夫の悲しい目を見て、可哀想だ、できない、やっぱり我慢しよう、ここにいようという気持ちになってしまうのでした。

それは、後で気が付いたのですが、夫婦間の愛情ではなく、愛がなくなっても情だけは残っていたのです。

23年も一緒にいたのですから、その情というものを切り捨てるのが大変な作業でした。

夫を見捨てることなんて、私にはできないって何度も思いました。

気持ちが揺れていたある日、また夫はリモコンを壊しました。

リモコンを机にバンバンたたきつけて、その行為はリモコンが壊れるまで続きます。

リモコンは過去に6個ほど壊したと思います。

娘の大事にしていたドライヤーも、息子が大事にしていたゲーム機も、破壊するまでたたきつけた夫を思い出しました。

その時に、子どもたちの心も壊していたかもしれません。

機嫌がわるくなると物を壊す、それでも怒りが収まらなければ家族にむかってくる、これはもう治らないのだ、もうだめだと悟った翌日、アパートの契約に行きました。

10万円ほどの手付金を支払ってもまだ心は揺れていました。

それほど、過去の暮らしや生き方を捨てるには大きな決断が必要でした。

たとえモラハラやDVがひどくてもそこで暮らした年月を思い出し、それらを手放すのにとても勇気がいりました。

結果的に、断捨離していろんなものを手放さなかったら、新しい風は吹いてこないし、新しい生き方はできないのだってすごく感じました。

生き方にしろ、ものにしろ、手放す勇気が必要な時がある。

そしてそれは時というもの、つまりタイミングですね、うまくいく時期があるようです。

最初に借りたのは、元我が家から徒歩15分くらいのアパートで、家賃は40,000円ほどでした。

私の心の中には、まだ遠い所に逃げようという気持ちはなく、とりあえず夫から避難する場所が欲しくて近場を借りました。

殴られたり、暴言を吐かれたり、追い出された時に、私はいつもネットカフェに逃げていたからです。

いつ追い出されるかわからない毎日で、自分の居場所が欲しかったのです。

ワンルームの契約を終了し、私と息子は夫のいない昼間に、コソコソと物を運びました。

自転車と徒歩でです。

持てるものは限られていましたけど。

最初にカーテンと布団二組を買いました。

布団は掛布団、敷布団、枕のセットで一番安い10,000円くらいのものだったと思います。

テレビだけは買ってほしいという息子の願いで、中古のテレビをオークションで買いました。

ちなみに、5,000円で買った中古のテレビは、私が現在1人で住んでいるワンルームにまだあります。

もういつ追い出されても大丈夫だという状況に、少しづつ部屋を整えていきました。

そして夫から逃げる日は、ある日突然やってきました。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
記事に使用している画像はイメージです。
 

chii

モラハラDV夫の家を飛び出し、7年目のchiiと申します。離婚には応じてもらえずに、現在も熟年別居中です。つい最近、共に暮らしていた大学生の息子が自立をして一人暮らしになりました。某スーパーでサービスカウンターの仕事をしています。パートなので生活は楽ではありませんが、結婚生活が地獄だったからこそ、現在の一人の時間に幸せを感じています。別居直後から書き出した「60代小さく暮らす」お一人様の老後がテーマの「お茶のいっぷく」を書いています。

※毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

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