「40代の女性です。私の父(80歳)には長年続けている習慣があります。いまではなかなか見かけないな珍しい姿ですが、『その道』の人ではありません」
■長年の習慣はどうしてもやめられないようで...
私の父(現在80歳)の長年にわたる変わった習慣の話です。
若い頃から父は「さらし」をお腹に巻いています。
毎日巻いたりほどいたりするのは面倒な気がするのですが、本人としては80歳になったいまでもその習慣をやめる気はなさそうです。
私は幼い頃から父がさらしを巻く姿を見ていたので、世のお父さんはみんなお腹周りに「さらし」を巻いているものだと思っていました。
昔の任侠映画ではその姿がよく出てくるため、いわゆる「その道の人」というイメージもあったものです。
いまでは「さらし」を巻く人は、お祭りの時などに見かけるくらいで珍しくなりました。
そのため、孫たちから「おじいちゃんそれは何?」とよく質問されています。
私も以前「どうして巻いているの?」「いつから巻いているの?」などと父に質問したことがあります。
父は「お腹を冷やさないために巻き始めて、いまでは習慣。巻いていないと落ち着かない」と言った記憶があります。
私は子どもの頃に「お父さんはお腹を冷やさないためにさらしを巻いているのだから、代わりに温かそうな腹巻をプレゼントしてあげよう」と思い、父の日に腹巻をプレゼントしたことがあります。
父は娘からのプレゼントを喜び、しばらくの間は腹巻を巻いてくれていました。
いつの間にか「さらし」に戻っていましたが...。
■さらしにはいろいろなメリットがあった!
お腹を温めるだけなら、普通の腹巻のほうが簡単で便利な気がしますが、「さらし」でお腹を巻くメリットはどうやらそれだけではないようなのです。
いろいろと調べてみると、実はお腹の冷えを防ぐだけでなく、外部からの衝撃や刺激を緩和したり、強く巻いた場合には腰を固定したりできるため、サポーターのように腰痛予防や腰痛改善の効果もあるとのことでした。
妊娠5~6カ月目の戌の日には安産祈願のために神社にお参りに行きますが、確かにその際にも大事なお腹を守る意味で祈祷された「さらし」をいただき、腹帯として使われる習わしがあります。
おそらく、父としてはそこまで考えて巻き始めたのではないと思いますが、さらしをお腹に巻くメリットを教えてあげたところ少し嬉しそうでした。
50年以上も「さらし」でお腹周りを守っているからなのかは分かりませんが、父は80歳を超えたいまでも胃腸も腰も丈夫で元気です。
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