混んだ電車の中で、自分の靴の先を誰かの靴にぶつけてしまったマロニエさん(62)。もちろんわざとやったわけではないし、「軽く頭を下げればそれで済む」と思ったというのですが...。その後にとんだトラブルになってしまったそうです。
※実際に身の回りで起きた実体験エピソードに基づき構成しています。
その日、帰宅時間帯のやや混雑した電車のシートに座っていた私(62歳)。
足を動かした時、私の履いていた短いブーツの先が、前に立っていた女性の靴の先に、軽くぶつかってしまいました。
私は「すみません」というつもりで頭を下げ、相手もてっきり「いいえ」という感じで返してくれるものと思って、チラと目を上げました。
するとそこには、ものすごい目つきで私をにらんでいる若い女性の姿があったのです。
びっくりしましたが、こちらはとにかく謝意を示したのだし、あれくらいのことでそれ以上謝る必要もないと思い、ちょっと首をすくめる仕草をして下を向き、そのまま下車駅へ着くのを待ちました。
やがて駅に到着すると、私はそそくさと席を立ち、電車を降りました。
その時、背後から「待てよ!」という声がしたのです。
振り向くと、さっきの女性が下車していて、明らかにこちらをにらんでいます。
一瞬、無視して行ってしまおうかと思いましたが、目が合った以上そうもいかず、私は仕方なく「なんですか?」と聞きました。
「汚れたんだよ!」と女性は言って、履いていたハイヒールを私に見せました。
見ると、黒いハイヒールの先が少し白くなっていました。
「どうすればいいんですか?」と、私は尋ねました。
(お金でも出せというのかしら? そうだとしたら、駅員さんに相談して交番に行くとかいう話になるのかな...)
嫌だなぁ、と思っていると、女性は言いました。
「拭けよ!」
言葉遣いや態度から、まともに話せる相手ではないとわかったので、これ以上もめたらまずいと思った私は、黙って自分のバッグからティッシュを取り出し、女性の前にしゃがみこむと、白くなっていた部分を拭きました。
汚れは薄く、一拭きで元に戻ったので、「これでいい?」と、私は女性に言いました。
すると女性は、私をひざまずかせて気が済んだのか、何も言わずにそのまま人混みの中に去って行きました。
もっと面倒なことになるかと思いましたが、とにかくそれで終わったのでホッとしました。
みんなイライラしていて、どんなトラブルに巻き込まれるかもしれないこのご時世。
ちょっとしたことで因縁をつけられないように、日頃の行動には注意しなければいけないな、と思った出来事でした。
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