20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として暮らしてきた中道あんさん。でも50代になると、夫との別居、女性としての身体の変化、母の介護...と、立て続けに「人生の転機」が訪れます。そんな激動の中で見つけた「50代からの人生を前向きに過ごすためのヒント」。
ひとり暮らしを始めて半年が経った中道あんさん。自分らしい暮らしをしていくために、「ものとのつき合い方」に訪れた変化は...?
【前回】 私たち50~60代が気を付けたい体のこと。これまで実践した「6つの運動習慣」

家族と離れ(といっても子どもたち全員が結婚するから、たぶん)ひとり暮らしを始めて半年が過ぎました。
すっかり、ひとりにも慣れて気楽な暮らしを謳歌しています。
誰も見ていないから、どんどん雑な生活になると思いきや、誰かと暮らしているときより丁寧に過ごしているように思います。
10年以上続けているブログは「丁寧に生きる」がコンセプトだったけれど、50歳の私の価値観はいまも健在なんだって思うことがあります。
丁寧な暮らしと聞くと、「○○を手作りすること」「季節のご挨拶を一筆したためる」みたいな、手をかけることのように思われがちですが、丁寧な暮らしの土台にあるのは「自分をおざなりにしない」ことです。
自分自身の健康や欲求を後回しにして、その場をやり過ごすような態度をとることをしない。
若いときのような勢いがなくなってきた今は、より楽に、自分らしく生きることが「自分を丁寧に扱う」ことだと思っています。
そんな私が、ひとりになってからの「ものとのつき合い方」をお伝えしていこうと思います。
家族がいてもひとりでも、必要な生活用品は変わりません。強いて言えば、大きさが変わることくらい。
はじめは、最低限必要なものを揃えて、必要であれば後から買い足していくことに。
私のものを買うときの基準は「できるだけ長く使えるもの」。
試しに買ってみるという決め方もありますが、それでは、どこか気持ちがしっくりこないのです。
特に毎日使うようなものは、暮らしの支えにもなるのですから。
ちなみに、前の家から持ってきた鍋は、30年選手。
「これじゃなきゃ、美味しいご飯を炊けないし、煮物の味も決まらない」って、信頼しきっている道具です。
納得いくまでしばらくはナシの状態でしのいだものもあります。
たとえば、水切りラックがそうです。
気に入った物が見つかるまでは、ザルで代用していました。
かさばらず、手入れが楽で、シンクに馴染むものを1ヵ月くらいは探したように思います。反対にずっと愛用したいたのに、手放したものもあります。
それは、「びわこふきん」といって、独特の紡績方法で作られた綿100%の布です。
それ1枚でテーブルやキッチントップまで拭き掃除してもくたびれず、丈夫で長持ちするし、とても重宝していたのですが、ペーパータオル派に変わりました。
より楽するためのアイテムです。
使い捨てを取り入れることに多少の罪悪感を覚えたのですが、1枚を徹底的に使い倒し最後は雑巾として床を拭いたりして「もう十分」。
布ふきんを使っていた時より、キッチン周りがキレイなように思います。
お部屋に観葉植物が増えました。
大物はモンステラ、ウンベラータ、エバーフレッシュ。
中くらいのポトス。
多肉植物のディスキディアはハンギングして、ビカクシダは壁掛けスタイル。
どの部屋にも観葉植物を置いていて、その世話を楽しんでいます。
ときどきスプレーで葉水したり、葉についたほこりを優しく拭きとったり、眺めたり。
スプレーボトルは気に入ったデザインのものを探しました。
葉水する作業が楽しくなるのは、このボトルのおかげです。
ちょっと嬉しいことがあって、300円ショップで買ったとても小さなピレア・カディエレイ。
冬の日差しが弱かったせいか細い茎だけになってしまい、ほとんどの葉が落ちてしまったのです。
ダメ元で肥料を1粒あげると、茎の節ごとに新芽が出てきて、元気を取り戻した様子。
たった1粒で生きる力を取り戻せるなんて、植物って強い!
人も頑張りすぎたり、忙しすぎたりして、心が栄養不足になってしまっては、ひょろひょろとした枝のように折れやすく、立ち上がる力もなくなってしまうものです。
だからこそ、ものとのつき合い方にも「自分を満たす視点」が大事なんだと思います。
便利はその物差しの一つですが、それだけじゃなく手間がかかっても心地よいか、見た目が好みとか、気持ちがほっとするものかどうか、そういう基準で選ぶようになりました。
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