<この体験記を書いた人>
ペンネーム:みけ
性別:女
年齢:52
プロフィール:両親と同じ敷地内に住んでいる52歳の自営業。
22年前、私が30歳の頃のことです。
当時は、家電量販店に携帯電話の販売員として代理店から派遣されて働いていました。
携帯電話ならどこの会社のものでも良いわけではなく、売らなければならなかったのは、とある会社の製品です。
黙っていても売れる会社ではありませんでしたが、CMに起用されていた女優さんが「フェロモン女優」と言われて人気を集めていたので、セールスしやすい時期でした。
売り場はレジカウンターの隣で、他の会社から派遣されている販売員さんたちと和気あいあいと仕事ができて、楽しかった記憶があります。
レジ係の女性社員やクレジットカウンターの派遣さんと接する機会も多くありました。
その中の一人で20代半ばのAさん。
ちょっと老けて見えて、他の女性社員さんとは違う堅苦しい雰囲気を持っていました。
賑やかと言われる私と正反対のタイプのせいか、私のことがあまり好きではなかったようです。
休憩室で一緒にお弁当を食べている時に話しかけても、盛り上がった試しがありません。
それなのに、なぜか一緒になることが多いという皮肉。
仕方がないと思いながら、立場の違いもあるのでできるだけにこやかに振舞っていました。
ある日、私とAさんとクレジットカウンター担当のBさんとで、クレジットカウンター内で暇つぶしにおしゃべりをしていたときのこと。
いつも話題になるのはそれぞれの売り上げ・契約件数なのですが、このときは携帯電話の契約件数についてあれこれと話をしていました。
「最近、いい調子じゃない? このまま(他の会社を押さえて)トップかな? 凄いねぇ~」
ちょうどその頃、うちの会社の契約件数が増えていたので、Bさんがそう言ってくれたのですが...。
次の瞬間、Aさんがニヤっと笑って言ったのです。
「フェロモン販売員ですものねぇ~。男性はみんな買っちゃうよね」
一瞬、どう捉えていいのか分からず言葉が出ませんでした。
でも、すぐに「フェロモン女優」の流行り言葉にかけた嫌味だと気が付きました。
香水をつけていた私を皮肉ったのだと思います。
そんなに私が気にいらないのかよ?と驚きました。
ポカンとした顔で立っている私の目に映ったのは、Aさんのちょっとスッキリしたような顔。
気まずい空気が流れました。
「いいなぁ、〇〇(女優さん)みたいに魅力的ってことだもんね」
とっさにBさんが引きつった笑顔でフォローを入れてくれたのですが、私はどうしても笑えませんでした。
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