<この体験記を書いた人>
ペンネーム:夏子
性別:女
年齢:45
プロフィール:今年で結婚15年目。郊外の住宅街に住む主婦です。毎日のんびり近所の公園を散歩して癒されています。
石川県にある古い家を母(70歳)が相続したのは、今から30年前のことです。
母はその家に子どもの頃住んでいましたが、親(私の祖父)の転勤に伴い引っ越しして、家は親戚の手に渡っていました。
しかし、住んでいた親戚が亡くなったため、その親戚が使っていた家財道具ごと母が受け継ぐことになったのです。
母の自宅は別にあるため、たまに泊りにいく家、という扱いになる想定でした。
相続した翌年とその次の年も親戚が泊まりに行きましたが、特に変わったことはありませんでした。
最初に「出た」のは母が家を相続した3年後、私が高校時代の同級生3名と2泊3日の日程で泊まったときです。
観光して楽しく過ごし、何事もなく2泊したのですが...。
3日目の朝、ご飯を食べている最中に、友人が突然「あぁぁ!」と叫びました。
「何? どうしたの?」と聞くと、何もない廊下を指さして友人が一言。
「そこで、お婆さんが洗濯干してた!」
その場にいた全員がビックリしましたが、「やだぁ、冗談きついよ」などと真面目に取り合いませんでした。
しかし、「見た!」という友人は顔面蒼白で、「もうヤダ。今すぐ帰る」とふざけているようには見えません。
結局、すぐに家を後にしました。
母が友人グループと宿泊したときにも奇妙なことがありました。
夕方、友人の1人に留守番を頼み、母たちは夕食用に注文してあった刺身を取りに出かけました。
帰宅すると、真っ青な顔をした友人が母にしがみついてきて「怖かったよー!」「もう帰りたい」と泣き出したそうです。
茶の間にいたら締めてあった襖だけがガタガタと揺れ、逃げようにも出口はその襖だけだったので逃げられず、部屋の隅で母たちの帰宅を待っていたというのです。
その人は普段から大げさなところがある人物だったので、皆で「風でも吹いてたんじゃない? 大げさな」と言って、気にする人はいませんでした。
母は、私の友人が何かを見たのを知っていたのですが、これ以上怖がらせたくないと黙っていたそうです。
さらに母が別の友人と泊まったときには、「お婆さんが茶の間に座ってた」という目撃情報も。
「これだけ証言があるなら本当にいるのかも」
「亡くなった親戚の誰かでは?」
なんて話していました。
ところが、親戚のみで泊まったときは何も変わったことは起きていません。
「霊感がない家系なんだね」と笑いのネタにしていました。
ところが私が20歳のとき、ついに不思議な経験をすることになったのです。
そのときは母と2人で行き、2日間は何事もなくのんびり過ごしていました。
しかし、3日目の昼下がりにお茶を飲んでいたら、聞いたこともないような「ドカーン」という大きな音が。
靴も履かずに慌てて家を出ました。
家の前で周囲を見回しましたが、地震やガスの爆発、自動車事故など、大きな音が鳴りそうなことは何も起きていませんでした。
「これって心霊現象?」
「ついに身内にも出た?」
私たちはすっかり怖くなってしまいました。
まだ見ていないだけで、次に行ったら見てしまうかも、そう思うともう楽しく泊まれる気がしません。
結局、その後は誰も宿泊せず、25年もそのままになっています。
関連の体験記:「こんばんは」深夜、誰もいないところで聞こえた女性の声。もしも返事をしていたら...
関連の体験記:地震で泊まっていた家が倒壊! 古い日本家屋でなぜか無事だった理由はもしてかして...?
関連の体験記:「怖がると思って黙ってたけど...」深夜2時半の山道で突然現れた人物。実は来ていた服が...!
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。