<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ボーダーズ
性別:女
年齢:40代
プロフィール:夫と猫の3人暮らし。ちょっと早めの終活を始めました。
現在、高校生の姪が2歳だった頃の話です。
当時、私は独身で両親と同居、妹は結婚して夫と娘(姪)とアパートに住んでいました。
怪獣のように動き回る子どもの育児は大変だったようで、毎日のように実家に来ていました。
私が仕事から帰ると姪が「抱っこしてー」「散歩行くー」と出迎えてくれます。
会話ができるようになると、ますますかわいくなっていきました。
このように妹と姪は毎日実家に来ていましたが、「今日は旦那が早く帰って来るから」という日は早々に帰宅。
家庭は円満なんだな~と思っていました。
そんなある日、私が帰宅すると母がへとへとになっていました。
理由を聞くと「午後からママ(妹のこと)が出かけちゃって一人で姪っ子ちゃんを見てた」とのこと。
珍しいなと思いながらも私は、「ママ、どこいったんだろ~ね~」と独り言のようにつぶやきました。
すると姪が答えてくれたのです。
「ママね、エ~ンッてた」
手で目をこするようなしぐさをしながら、姪は言いました。
ママがえ~んと泣いてたということ? と思った私は姪に聞きました。
「ママが泣いてたの? いつ?」
「キノウ」
ただ、姪は昨日もおとといも1週間前も「昨日」というので、はっきりしたことは分かりません。
「ママ、エ~ンて、パパ、モシモーシちて、パパ、オシゴト」
「パパ、帰ってきて、ママ、エ~ン」
おやつを食べながら楽しそうに話す姪。
私がDVを心配して、「パチンってしてた?」と叩くしぐさをしてみると、
「パチン? ナイナーイ。パパ、オシゴト」
お猿さんにおやつをあげながら芸を教えるように、おやつ・質問・おやつ・質問を繰り返します。
どんどんしゃべる姪がかわいくて、その後も調子にのって聞いてしまいました。
その結果、これは夫婦喧嘩でもしたんだね...と想像できました。
ママが泣くほどの夫婦喧嘩をしていても、姪は怖いとか嫌な気持ちの影響を受けていないのが良かったなと思いながら、親の話や行動をよく見ていて、それをこんなに上手に伝えられるように成長したんだなと感動した私。
姪は話し疲れたのか遅いお昼寝を始め、そのとき妹が帰って来ました。
「ありがと~助かったよ~」と、いつもの明るい表情でおみやげを差し出したのですが、「何かあったの?」と声をかけると、「なんで知ってるの?」と顔がみるみる涙顔に。
「ちびが全部しゃべったよ、話して楽になるなら話してごらん、もう隠せないよ」
ドラマの刑事のようにふざけたように聞くと、やはり昨日夫婦喧嘩をしたと告白しました。
ほぼ姪が話したとおりで、娘の成長に驚いた妹は娘の前でうっかりおかしな話はできないと反省しているようでした。
妹は、喧嘩のことを友人に相談するために外出していたらしく、普段は明るくて元気な妹がそういうときに相談できる友人がいたことは良かったと思いました。
その日は週末ということもあり、妹と姪は実家に泊まって行くことに。
妹は喧嘩の話をいつまでもいつまでも話し、私もそれをずっと聞いてあげました。
翌朝、言いたいことを言ったおかげか、妹はすっきりした顔をしていました。
「お姉ちゃん、もう誘導尋問で娘にいろいろ聞かないでね」
ふざけて怒った顔をした後、「ありがとうね」と笑いながら帰っていきました。
姪の話のおかげで、妹の気持ちに気づいてあげられて良かったと感じた出来事でした。
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