<この体験記を書いた人>
ペンネーム:みけ
性別:女
年齢:51
プロフィール:両親と同じ敷地内に住んでいる51歳自営業。
小学生の頃から読書が一番の趣味の私は、休みの日などは本を読んで過ごすことが多いのですが、そのときに一緒にテレビも見ています。
高卒で就職し、19歳で寮での一人暮らしが始まったときに、シーンとした部屋にいるのが寂しくて、とりあえずテレビもつけるようになったのがきっかけです。
最初は音を消して部屋を明るくするためにテレビをつけていましたが、好きな俳優が出ているドラマなどを目にして、徐々に「テレビを見る」ようになったのです。
当時高価だったビデオなど持っておらず、「見逃さないぞ」という意気込みと欲張りな性格のせいで、いつの間にか本の内容もテレビの内容も同時に頭に入るようになりました。
その能力(?)にさらに磨きがかかったのが、それから12年ほどたった私が32歳のとき。
その頃、同年代の友人が私の住まいに居候していました。
情報番組が好きな友人は、ニュースやワイドショーをよく見ており、疑問が生じるとすかさず私に「どいう意味?」と解説を求めたり、「これってどうなのよ?」と意見を聞いてくるタイプでした。
きっと最初は、本を読んでいる私をイジろうと思ってのことだったと思います。
でも、意外と私がテレビの内容をちゃんと聞いていて「それはね...」と説明をしたので、遠慮なく話しかけるようになったのでしょう。
私もいつ話しかけられてもいいように、気を遣っていました。
結果、いつ何を聞かれても即答でき、意見も言い合えるまでになりました。
その2年後に友人が引っ越しして私一人になってからも、テレビの内容を頭に入れながら本を読む生活を続けてきたのです。
それが、去年あたりから片方しか入ってこなくなってしまいました。
先日は本を読んでいたら、いつの間にかドラマがクライマックスを迎えていたのです。
ショックを受けながらも「本がおもしろかったからだ」と思い込もうとしたのですが、それから似たようなことが何度もありました。
逆にテレビを意識していると、本の方は同じページをさまよってしまいます。
これは頭を使っていないということなのか?
友人がいた当時よりは仕事量も増え、頭を使っているつもりでいたのに。
そんなことを考えていた矢先、地元の同級生と食事中に話をしてみたところ、何と同じことが彼女にも起こっていると言うではありませんか。
そのときやっと、「2つのことを同時にできる」のは、自分が持っている素質ではなく、若いからできたことだと気づいたのです。
そして、二人で潔く「若い頃の器用さはなくなったってことだね」と、現実を受け入れることにしたのでした。
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