アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。
皆さん「ママ友」はいらっしゃいますか? 私の長きにわたる人生の中の、色んなママたちのお話をしようと思います。
※登場人物はすべて仮名です
【前回】お金を返して...! 貸した3万円を返さないママ友が忽然と姿を消して...もしかして常習犯?
ママ友・岸さんが、谷さんに50万円を貸したきり返ってきていないと聞いて驚愕した。
「ご、50万!!」
「額が額やから、弁護士立てて話しすることになってる」
「えっ?そしたら居場所知ってるん?」
「知ってるも何も、隣町よ(笑)」
「へっ?隣町?なんでまたそんな近くに?なんでわかったん?」
「谷さんの子どもが転校する前に同じクラスの子に『引っ越し先は隣町で〇〇小学校』って喋っとんのよ。それに電話番号変えてへんねん。うちは貸すときに借用書取っててん。諦められるような金額やないから、絶対に返してもらわんとあかんからな」
いや、50万に比べたら3万なんてはした金かも知れんけど、それでも私も返してもらわんでもええお金やない。
「他の人らは?」
「いちいち取り立てるのもめんどくさい人もいるし、あげたと思って諦める人もいるみたい。 騙された自分がアホやったんやと思う人もいてるんちゃう?」
さすがは姑が「ここは医者や弁護士やお金持ちの住む街」と言っていただけはある。
別に金持ちでなくとも、お金さえ出せばマンションや家は買えるので、共働きでもローンが大変なご家庭はたくさんいる。
私はたった3万でも返してほしいわ。
岸さんとはそれだけで別れたが、後になって谷さんの連絡先を聞いておけばよかったと思った。
それでも私は役員や色々と忙しくしていたので、気が付けば更に10年ほど経っていた。
ある日のこと、たまたま隣町に用事があり、ついでに買い物も済ませることにして隣町のスーパーに寄った。
買い物カートを押して店内を歩いていると、入り口から谷さんが入ってくるのに気が付いた。
慌てて走り寄った。
「谷さん!!」
声をかけたのが私とわかるやいなや、谷さんはギョッとした表情になった。
「あ...、ひ、久しぶり...」
「久しぶりやね!引っ越ししたん聞いてなかったから!」
「あぁ...、いろいろバタバタしてたから...」
谷さんは小学校低学年くらいのお子さんを連れていた。
「この子は⁉」
「うん、引っ越しするときに旦那と別れて、再婚したんやわ」
無職の旦那と別れて引っ越し、再婚して子どももできて新たな生活を送っていると言う。
「私からお金借りてるん覚えてる?」
借用書も取ってないので、これでシラを切られたらしょうがないと半ばあきらめる気で聞いた。
「覚えてるよ!うん、覚えてる!」
「いくら貸してるか覚えてる?」
「.........」
「3万円!」
「あぁ、さ、3万円...」
私から借金したことは覚えてはいるが、あまりにもたくさんの人から借りまくっていたので金額までは覚えていなかった。
「月末の給料日に返すって言うてから、もう10年近く経ってるけど?」
「ごめん...」
お子さんのいる前で酷かなとは思ったが、次にいつ会えるかわからない。
「とりあえず1万円でも返してもらえるかな?」
「1万円...」
「ホンマやったら今3万円返してもらいたいんやけど?」
「あ、返す!返す!」
そう言って谷さんは財布から1万円札を出した。
「じゃあ、あと2万円な」
1万円札を受け取りながら念押しした。
『人にお金を貸すときはあげる気になって貸せ』とはよく聞く話だが、こうやって会ったからには無かったことにはできない。
「あっ!!ちょっと用事思い出したわ!ごめん!」
そう言って、谷さんは今来たばかりなのに子どもの手を引いて逃げるようにスーパーを走って出て行った。
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