アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。
皆さん「ママ友」はいらっしゃいますか? 私の長きにわたる人生の中の、色んなママたちのお話をしようと思います。
※登場人物はすべて仮名です
【前回】「あんな...電気が止まってな...」3万円を借りに来たママ友にお金を貸す? 貸さない?
生活に困窮して私の元にお金を借りにきたママ友の谷さん。
彼女にお金を貸すことを夫に秘密にしておくべきではないと思ったので、夫が帰宅して夕食時に話した。
「今この時間も電気の点かない暗い部屋にいるかと思ったら気の毒で...」
私は正直言ってお金を貸すことを夫に反対されたらどうしようかと思っていたが、思いに反して夫は賛成してくれた。
夫は短期間ではあったがスポーツクラブのコーチをしていたので、谷さんのお子さんの事をきちんと挨拶も出来て、練習もまじめに一生懸命する子だったと覚えていたのだ。
翌日、私は午前中に銀行に行って、谷さんに貸す3万円をおろした。
谷さんは約束の夕方を待たずに、昼過ぎにやって来た。
「月末の給料で絶対に返すから!そしたらすぐに支払ってくるわ!」
そう言って私から3万円を受け取り帰っていった。
ところが、月末になっても谷さんから連絡は来ず、私も何かと色々と忙しくしていたので気が付けば3カ月近く経っていた。
けれども私は「他にも色々と支払いできずにいたのがあったのかも知れない」と思い、もう少し待ってみることにした。
それでも半年近く経っても谷さんからの連絡一つ無い。
だんだんと悪い予感がしてきたある日のこと、新しくできたコンビニを訪れるとスポーツクラブで一緒だった岸さんがパートで働いていた。
久しぶりに会ったのと、たまたまお店には他の客がいなかったのとで、お互いに近況報告をし合った。
その時にふと、岸さんに谷さんの事を聞いてみようと思った。
けれども唐突に谷さんの話をするのもおかしな話で、谷さんのお子さんとは学年が違うので尚更私の口から谷さんの話を出すのは不審がられるのではないかとも思った。
むしろ下手な事でも言おうものなら、谷さんの噂を広める事にもなりかねない。
すると岸さんは私の顔をしげしげと見ながらこう言った。
「かづさん、なんかあったん? 言うてみ? なんかあったんやろ?(笑)」
話を聞いてほしいと顔に書いてあったかのように、岸さんにはバレバレだった。
私は言葉を選びながら話した。
「あんな、最近谷さんって見ぃへん?」
すると岸さんは少し驚いたような、ニヤリと笑った顔になった。
「あんたもなんかやられたん?(笑)」
「えっ!?『あんたも』って??」
鳥肌が立った。
「谷さん引っ越したで。子どもも転校した」
「え―――!!!」
幸いお店に誰もいなかったから良かったものの、思わず大声をあげて驚いた。
けれども驚くのはまだ早かった。
「私、谷さんにお金貸してたんよ!」
「あぁ、で? あんたはなんぼやられたん?」
「えっ!?『あんたは』って??」
「スポーツクラブで一緒やった仲の良い人ら、軒並みやられとんのよ。 AさんもBさんもCさんもDさんも他にもいっぱい! それにあの人パートしとったやろ? そのパート先のパート仲間にも借りまくって辞めとんねん」
「電気が止められて...、もうすぐガスも止められるって言うから...」
「あんたにはそない言うたんや...。色んな理由をつけてみんなに借りまくってたんよ。 それやのに引っ越しして転校したって子どもらから聞いて、みんなびっくりや。 それまでみんな黙ってたのがいっぺんに出てきて、総額かなり借りて逃げとんねん」
まさに絶句とはこの事なり...。
「で?あんたはなんぼやられたん?」
「私は3万円...」
「みんなも同じくらいやられてんねん。1万の人もいれば、3万、5万の人もいて、何回も貸した人もいんのよ」
「そしたら岸さんも?」
「うちは50万」
ええええええ!!!
大声をあげそうになった自分の口を、慌てて両手でふさいだ。
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