<この体験記を書いた人>
ペンネーム:yobo
性別:女性
年齢:47
プロフィール:体力の限界と戦う2児の母です。
2021年春、私はパート事務員として働き始めました。
そこで働く人は私を含めて4人。
40代後半の男性社長と、50歳の「従業員」と名乗る女性Aさん、私ともう1人のパート事務員さんという構成でした。
交代勤務だったのでもう1人のパートさんとは面識はありませんでしたが、私と同時に採用された未婚の女性と聞いていました。
社内は、社長とAさんがしょっちゅう口論しているような落ち着かない雰囲気で、私は常にAさんの機嫌を伺いながら仕事をしていました。
なぜなら、Aさんはその会社に住んでいるからです。
会社はマンションの一室にあり、間取りは2LDK。
入社前の面接で案内された部屋は、玄関を入ってすぐの応接室のような部屋だったので、一般的なオフィスだと思っていました。
しかし、勤務初日、普段の仕事に使うリビング部分の奥に、鍵のかかった部屋があることに気が付きました。
勤務2日目には、この奥の部屋が10センチほど空いた状態になっていて、中は見えないものの、飼い猫が奥の部屋とリビングを行き来していました。
「〇〇ちゃん(猫の名前)、ママよ~」
かわいらしい声で猫に話しかけるAさんは、社長と言い争っているときとは別人のよう。
社長はそのマンションから車で10分ほどの距離に自宅を構え、妻子と暮らしているとのこと。
猫が社長に懐いている様子はありません。
夕方になると社長は妻子の待つ自宅に帰宅します。
その後、少ししてから私は帰宅するのですが、Aさんは仕事を終えても帰る様子はないのです。
それどころか、昨夜この近隣でこんな出来事があったとか、今朝起きたときに水回りが不具合で...など、明らかに住んでいるとしか思えない発言が飛び出します。
もしかしたら、実質の社長はAさんなのかもしれないので、Aさんを怒らせてはいけないと感じていたのです。
そして、働き始めて2カ月たったある日。
私は電車に乗り遅れ、いつもより会社に遅れて到着することになってしまいました。
遅れたといっても始業時間の5分前に到着。
遅刻という認識は私にはありませんでした。
「遅くなってすみません!」
出社して一応そう言った私にAさんがかけた言葉は衝撃でした。
「会社は10分前までに着くのが常識だから! 5分前に着いたから遅刻として時給から引いておきますね!」
Aさんはそこに住んでいるわけですから、遅刻をすることはありません。
この厳しすぎるルールにびっくりしてしまいました。
私のやっている仕事は、特別な準備や着替えなどは必要なく、席についたらすぐに始められる内容です。
また、何分前に着いているよう指示も特になく、電車の都合に合わせてなんとなく12~3分前に到着していただけだったのに...。
その日は50分間に渡って延々とお叱りを受ける羽目になりました。
「会社に向かう前には他の予定を入れない」
「始業時間の2時間前からは(会社以外からの)電話には出ない」
そんな「?」だらけの遅刻防止のための心構えも聞かされました。
しかも始業時間の2時間前に、「どこで何をしているか」の報告をするようにも言われました。
ちなみに、この会社にはタイムカードがありません。
調べたところ、5分前に到着していたなら労基的には遅刻ではなく、Aさんがいうように会社側が遅刻扱いにして賃金を引いてしまうと労基違反となるそうです。
Aさんのお叱りが長かったため、その後は予定していた仕事を大急ぎで進めることになり、理不尽な一日となりました。
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