<この体験記を書いた人>
ペンネーム:さんた
性別:女性
年齢:46
プロフィール:子育て中の主婦です。
8つ年上の父方の従姉がいます。
子どもの頃から少し遠方に住んでいたため、日常的な交流を持ったことはないのですが、親戚が多く集まるときにはよく遊んでもらっていました。
お正月やお盆になると、父方の従兄弟が6人、私たち兄弟4人、合わせて10人の子どもが集まります。
従姉はその中の最年長で、しっかり者で優しく、みんなの優しいお姉さんでした。
その後、従姉は東京の大学へ進学して就職、結婚、出産をしてずっと東京で暮らしています。
私は従姉と同じように東京の大学に進学しましたが、卒業後は帰省して実家のある地方でずっと暮らしているため、お正月やお盆に顔を合わせる程度で、普段はほとんど交流はありません。
昔は年に数回会える大好きなお姉さんだった従姉ですが、ある発言をきっかけに大嫌いになりました。
私は子どもが3人います。
従姉の発言とは次のようなものです。
「とにかく1人うまくいけばいいじゃない! あとの2人はまあそこそこでも」
従姉の言う「うまくいく」とは、偏差値の高い学校へ進学することや、立派な企業に就職することなどを指しています。
そして「1人」は、1人目の子どものことを指しているのです。
従姉自身は彼女の言う「うまくいった」人生を送っていて自信たっぷりです。
私の2番目の子どもは中学受験に失敗しています。
合格もあれば不合格もあるのは当たり前のこと、それも分かった上でのチャレンジでした。
小学生から中学生という繊細な時期に不合格の現実を乗り越えるのは、親子ともども簡単ではありませんでした。
従姉の「とにかく~」という発言が飛び出したのは、やっと自信を取り戻して息子が前を向き始めた頃でした。
これがどんなにひどい言葉か、従姉が自覚した上で言っているのかどうか、今でも分かりません。
自分が1人目の子どもで1人目の孫、いつも一番だった従姉だから、1人目の子どもが一番! と思っているのかもしれません。
私は子どもの不登校や受験の失敗を経験しましたが、その経験は長い目で見ればプラスでした。
1人目の子どもも2人目も3人目も、比べることのできない大切な存在です。
3人の子どものうち、誰1人「うまくいっている」とも思いませんし、誰も「そこそこ」だとも思いません。
いいこともあれば悪いこともある中で、その経験と正面から向かい合っていくことこそ、成長につながると思っています。
そして、子どもそれぞれの歩みに寄り添って行くのが子育てだと思っています。
従姉の言葉は、私の子育ての信条や息子の尊厳を踏みにじる言葉でした。
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