千葉県市川市にある鍼灸マッサージ治療院「やすらぎ治療室」。その院長である「やすらぎさん」こと冨森猛さんが保護したのは、生まれつき右後ろ脚がない一匹の三毛猫・ミケちゃんでした。
『続 ミケちゃんとやすらぎさん』(KADOKAWA)は、保護されて以来、看板猫として多くの患者さんを癒してきたミケちゃんと、彼女を家族として迎えたやすらぎさん、そして周囲の人々が紡ぐ、かけがえのない絆の物語です。少し切なくて、でも心が温まるエピソードに触れてください。
※本記事はやすらぎさん、にごたろ著の書籍『続 ミケちゃんとやすらぎさん』(KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。
ミケちゃんときつねこちゃん
外猫時代、ミケちゃんにはきつねこちゃんという女の子のお友達がいました。暑い日は少しでも涼しい日陰を探して暑さをしのぎ、寒い日はお互い身を寄せ合って暖を取っていました。
ミケちゃんが治療室内で生活するようになってしばらくしたある日、きつねこちゃんが訪ねて来ました。その首にはかわいい首輪が...。
「やすらぎざんの所だったらちょっとだけなら行ってもいいよって言われたの」
それから時々治療室を訪れてはガラス越しにガールズトークを楽しんでいました。
「お互いずっとのお家が見つかって本当によかったね」
厳しいお外の生活を身をもって経験しているふたりだから、きっとそんな会話をしていたのかもしれません。
2018年の3月の終わり、桜が満開の日にきつねこちゃんが訪ねてきました。ガラス越しにお花見をするふたり。それがきつねこちゃんと会う最後の日になりました。飼い主さんのお引越しできつねこちゃんも一緒に遠くに行くことになったのです。
お別れは確かに悲しいことだけど、ふたりにとっては、幸せなお別れだったに違いありません。
ミケちゃん「きつねこちゃん元気でね。お互いずっとお家で幸せに暮らそうね」








