千葉県市川市にある鍼灸マッサージ治療院「やすらぎ治療室」。その院長である「やすらぎさん」こと冨森猛さんが保護したのは、生まれつき右後ろ脚がない一匹の三毛猫・ミケちゃんでした。
『続 ミケちゃんとやすらぎさん』(KADOKAWA)は、保護されて以来、看板猫として多くの患者さんを癒してきたミケちゃんと、彼女を家族として迎えたやすらぎさん、そして周囲の人々が紡ぐ、かけがえのない絆の物語です。少し切なくて、でも心が温まるエピソードに触れてください。
※本記事はやすらぎさん、にごたろ著の書籍『続 ミケちゃんとやすらぎさん』(KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。
シロちゃんのお話
地域のボス猫だったシロちゃん。外猫時代のミケちゃんに店先でごはんを与えると、ミケちゃんは必ず半分残して裏にいるシロちゃんを呼びに行っていました。
そのお返しにとシロちゃんは足にハンデのあるミケちゃんを外敵から守ってくれていました。
ミケちゃんが治療室内で暮らすようになった2016年の晩秋、いつもは見かけないエリアの駐車場でうずくまっていたシロちゃんの姿が...。
以前は僕が近づくとサッと逃げていたのに、その日はそばに寄ってもじっとしたままでした。それがシロちゃんを見る最後の日になってしまいました。
「どこかに姿を隠して人知れず死んでいったのかな...」その駐車場の前を通る度に切ない気持ちになっていました。
しかし、実際は駐車場の近くにお住まいの方々が、元気のなくなったシロちゃんのお世話をして看取ってくださったのでした。当時お世話をして頂いていた方のおひとりの息子さんが内科医で、ご実家を改装して開業され、僕の治療室に挨拶に来られた時にシロちゃんの話を切り出されたのです。
「シロちゃんは孤独に死んでいったんじゃなかったんだ...。人間の温かい手の中で旅立っていったんだ」思わず込み上げてくるものがありました。
息子さん(藤田充先生)は在宅診療もされているとのことでしたので、母の診察をお願いしました。優しく明るい藤田先生が母は大好きでした。
母は膵臓がんを患って2023年の春に亡くなったのですが、藤田先生は主治医として母を看取ってくださいました。








