根治の難しい指定難病・好酸球性胃腸炎と闘いながら、ふたりの子育てを楽しんでいるたんこ(@kei_mio)さん。長い不登校、鬱、ひきこもりという苦しい時代を過ごした後に多くの人に支えられながら社会復帰したというご自身の経験から強く感じた「生きていればオッケー!」を大切に、子育ての様子をポジティブに描いた漫画をInstagramなどに投稿しています。今回はそんなたんこさんに詳しくお話をうかがってみました!
ーーたんこさんが育児漫画を描こうと思ったきっかけは何ですか?
娘が生まれた後、趣味もなく育児でいっぱいいっぱいになっていた私に、友人が「趣味でも作りなさい!」と叱咤してくれたのがきっかけでした。
実は長年ひきこもっていた私は、専門学校の入学のときに勉強に集中するべく趣味をすべて捨ててしまっていました。極端な性格で...。(ちなみにこの専門学校が夫と出会うきっかけにもなっています)
友人のアドバイスで、かつての趣味だったイラストを再び描きはじめ、娘の可愛いところやマイブームをメモ書きのように描いてSNSにアップしたところ反響があったんです。子育ての面白さを共有できる嬉しさにハマってしまい、今に至ります。
娘ちゃんの可愛すぎる勘違い
ーー育児漫画を描いていて良かったこと、変化したことなどがありましたか?
子どもが生まれてからは子ども専属カメラ小僧になるくらい写真や動画を撮りまくっていたのですが、やはりふとした瞬間の言動やエピソードはカメラには収められず、悔しい、もったいないと感じていました。
育児漫画はそんな瞬間を描いて残すことができて、しかもSNS上で共感してくださったり、一緒に笑ってくださったりする方々と出会うこともできました。
そんな皆さまの存在はとても大きく、コミュ障でママ友がいなかった私ですが、懇談会でぼっちでも「ま、いいか!」と思えるようになりました。
また育児で失敗があっても「ネタにしたろ!」と思えるようになりました。
怪しい表情の息子さん。いったい何が...!?
ーー今まで投稿された中で、特に反響のあったエピソードは?
普段は子どものエピソードがメインではあるのですが、先日、自身の難病体験とヘルプマークについて触れた漫画に反響があり、いろいろなご意見をいただけたのが嬉しかったです。
ーー子育てをされているなかで気を付けていること、大切にしていることはありますか?
私は長い不登校からの鬱、ひきこもりという、親泣かせのことをたくさん経験してきました。人の親になった今は、期待を裏切ってしまって、本当に申し訳なかったと思います。
ですが、たくさんの人に支えられ社会復帰を経験し、結婚・育児という、諦めていたものも経験することができました。
「生きていればオッケー!」「生きていればなんとかなる!」を、実体験できた人間でもあります。
なので、子どもの失敗に対しても、前向きに捉えることが出来ています。
大切なコップを割っても、テストで赤点を取っても、お気に入りの服を墨汁で汚しても「それで誰か死ぬか?」って(笑)
私からすると、子どもたちの失敗なんて全然小さいもので...
「今、子どもたちが生きている。家族がみんな生きている上に、楽しそうに笑っている!」という事実だけで、じゅうぶんなんだと思えています。
これから反抗期などもあると思うのですが、家族が生きているという奇跡に毎日感謝しながら、それを育児漫画で記録しながら、かみしめながら、楽しんで過ごしていけたらと思っています。
ご自身の体験から、前向きに子育てを楽しんでいるたんこさん。お子さんたちの成長をどのように見守っていくのか、今後も目が離せません。