既婚者にとっても「おひとりさま時間」は大切/大人の男と女のつきあい方

pixta_26212099_S (1).jpg40歳を過ぎ、しかも家庭を持つ男の恋愛は難しいのが現実。しかし、年齢を重ねても、たとえ結婚していても異性と付き合うことで人間は磨かれる、と著者は考えます。

本書『大人の「男と女」のつきあい方』で、成熟した大人の男と女が品格を忘れず愉しくつきあうための知恵を学びませんか?

◇◇◇

前の記事「「愚妻」?「嫁」? ときには臆面もなく「愛妻」と呼ぼう/大人の男と女のつきあい方(43)」はこちら。

 

「おひとりさま時間」を充実させよう

「一人の時間」を大切にすること、わけもなく他人とつるまないこと 。
これは私が生きるうえで信条としている流儀だが、といって決して世捨て人のように生きることを推奨しているわけではない。中高年の男性が、寂しいからといって惰性のまま、愉しくもない、刺激もない他人とつるんで時間を過ごしてもしかたがないだろう、というだけのこと。

「昔はよかった」ということで、古い友人ばかりで頻繁に集まり、会うたびに同じエピソードをまるで念仏のように話したり聞いたりしても、むなしいばかりだ。
それよりは、新しい出会いを求めたほうがいい。とりわけ、いくつになっても異性との出会いを求めたほうがいい。
一人暮らしの男性ならもちろんだし、既婚男性であってもどんどん異性とつきあうべきだと思っている。人それぞれの考え方があるから、既婚者の異性とのつきあい方は千差万別だろうが、夫婦だからといって始終、一緒に出かけることがいいとは思わない。

私自身、年に数回は一人で旅に出る。妻に内緒で行くわけではない。妻にも声をかけてみるが、彼女には彼女のライフスタイルがある。彼女が行きたいといえば一緒に出かけるし、気が進まなければ私一人で出かける。

人間が厚かましくできているのかもしれないが、私は根っから人見知りをしない。気が向けば、老若男女を問わず、見ず知らずの人に話しかける。それが縁で長いつきあいが始まることもある。

だが、中高年の男性すべてが私のように厚かましいわけではないだろう。そんな人におすすめしたいのが「クラブツーリズム」が催行する、おひとりさま対象のツアー旅行だ。「クラツーリズム」は旅行会社大手の近畿日本ツーリストの一事業部門から独立した会社で、こうした事業を始めて30年近くになる。

このツアー、国内旅行が中心だが、国外旅行もかなり充実している。もちろん派乗員も同行するから、旅慣れない人でも安心して参加できる。宿泊のほうも、ツインルームのシングルユースが中心。一人部屋なのだ。したがって見ず知らずの人と同部屋に入れられて気兼ねする心配もない。当然、ツインルームを一人で使用するわけだから、料金は割高になるが、部屋ではゆったり、のんびりできる。私も数回、このツアーで「おひとりさま旅行」を愉しんだことがある。ふつうのツアーでは、参加者のほとんどがカップルやグループで、そのなかにおひとりさまで参加すると肩身の狭い思いをすることもあるが、このツアーにはそれがない。大手を振って旅をエンジョイできる。

数年前、このツアーでハワイを旅行した。私にとってハワイは格別の場所。これまで、アメリカ、ヨーロッパ、オセアニア、アフリカ、東南アジアなど、大旅行や小旅行を含め、何度となく海外を旅したが、たどり着いた結論は「海外旅行はハワイに始まり、ハワイに終わる」である。

たまには、一人でハワイに行くのもいいと思い立って実行した。日本人が多いオアフ島よりもハワイ島での滞在が多いツアーだった。
そのツアーで私は、ある30代の女性と知り合った。彼女はもの心ついたときに父親の仕事の関係で両親とハワイ島に移り住んだ。わずか二年のハワイ島暮らしではあったが、彼女の記憶から、ハワイの美しい海と空の風景が消えることはなかったようだ。

日本に戻り、家族三人で暮らしていたのだが、一年前、不幸なことに相次いで両親が亡くなった。おまけに、今度は自分自身も離婚。いわば、傷心の旅だった。
「ぼんやりと覚えているハワイの風景や両親との生活をもう一度思い出すために、一人でハワイに来てみたんです」

私自身、ハワイの島々のなかでは火山の島・ハワイ島がいちばん好きである。今回のツアースケジュール、自由時間を含め、六泊八日の行程中、かなりの時間を私は彼女と行動をともにした。その後、東京に戻ってからも親交は続き、ときに食事をしたり映画を見たりで、いまではかけがえのないガールフレンドになっている。

残念ながら、それ以上の関係ではないから、妻も公認。それどころか、妻自身も彼女と親しくなってしまい、私と同様、妻にとっても大切なガールフレンドになっている。こんな出会いがあるのも、おひとりさまの旅ならではといえそうだ。

最初は妻も、彼女とのつきあいをいくらか疑っていたようではあったが、そんな心配も中高年の夫婦にとってはむしろ緊張感が生まれていいのかもしれない。独身ならもちろん、既婚者であっても、ときにはおひとりさまの旅をするべきだと、私は思う。旅先では、誰でも開放的な気分になる。ふだんは人見知りをしていても、所変われば何とやらで、違った自分にも出会えるはずだし、新しい友だちや異性とのつきあいも生まれるかもしれない。

 

次の記事「最愛の人に遺すものは「思い出」と「お金のこと」だけでいい/大人の男と女のつきあい方(45)」はこちら。

 

川北義則(かわきた・よしのり)
1935年大阪生まれ。1958年慶應義塾大学経済学部卒業後、東京スポーツ新聞社に入社。文化部長、出版部長を歴任。1977年に退社し、日本クリエート社を設立する。現在、出版プロデューサーとして活躍するとともに、エッセイスト・評論家として、新聞や雑誌などに執筆。講演なども精力的に行なっている。主な著書に『遊びの品格』(KADOKAWA)、『40歳から伸びる人、40歳で止まる人』『男の品格』『人間関係のしきたり』(以上、PHP研究所)など。

otoko.jpg
『大人の「男と女」のつきあい方』
(川北義則 / KADOKAWA)
「年齢を重ねても、たとえ結婚していたとしても、異性と付き合うことによって、人間は磨かれる」というのが著者の考え。しかし、40歳を過ぎてから、 しかも家庭を持つ男の恋愛は難しいのが現実です。 本書は、成熟した大人の男と女が品格を忘れず、愉しくつきあうための知恵を紹介。 いつまでも色気のある男は、仕事も人生もうまくいく!

この記事は書籍『大人の「男と女」のつきあい方』からの抜粋です

この記事に関連する「暮らし」のキーワード

PAGE TOP