伴侶の選択に迷ったら、まず「親」を見よ/大人の男と女のつきあい方

pixta_27489280_S.jpg40歳を過ぎ、しかも家庭を持つ男の恋愛は難しいのが現実。しかし、年齢を重ねても、たとえ結婚していても異性と付き合うことで人間は磨かれる、と著者は考えます。

本書『大人の「男と女」のつきあい方』で、成熟した大人の男と女が品格を忘れず愉しくつきあうための知恵を学びませんか?

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結婚に迷ったら、まずやるべきこと

「本当にこの人と結婚してもいいのだろうか」
男でも女でも、伴侶を選ぶときは悩む。そんなとき、その相手の親を見ると、納得できる答えが見つかることがある。
いい家に住んでいるかどうか、一流の会社に勤めているかどうか、お金をたくさん持っているかなどではなく、その親の人柄を見て「なるほど」と、腑に落ちることがある。

以前、遺体遺棄の容疑で逮捕された青年の両親は、ともに医師だった。一般的に医師といえば、知的レベルも高く、それなりの教育を受けた人間が多いのだが、少なくともテレビで報道された彼らの話しぶりを見るかぎり「この親はいったい、どんな教育を受けた人間なのか」と首をかしげたくなった。

自分の子どもが無実であると信じて、そう主張するのならわからないでもない。だが、彼らの場合はどうも違う。自分たちの子どもが犯人であることは認めていながら、まるで他人事のようなのだ。「親は親、子は子、自立した人間ですから」といったようなニュアンスのことを、ひどくクールに語っていた。自立しようがすまいが、親の立場を放棄したわけではないだろう。これでは、被害者も、被害者の家族も浮かばれない。

マスコミの前に出てくるならば、まずは自分の子どもが犯した罪をきちんと謝罪し、何よりもそんな子どもに育てた親の責任の重大さを語るべきだろう。この親にして、この子ありという感を強くした。

かつて、北野武監督が、ある女性との不倫を報じられたとき、武さんの母親にマスコミが殺到しコメントをとろうとした。
「とんでもない息子だ。死刑にしてほしい」
不倫で死刑とは穏やかではないが、苦労しながら武さんを含め四人の子どもを育て上げた母親は、そうコメントした。

「世間様に申し訳ない」というモラルが、彼女のなかには生きているのだと思い、感心したものだ。
彼女はすでに亡くなられたが、その死に際して、武さんが「かあちゃん、かあちゃん」と人目をはばからず涙し、嘆き悲しんでいたのも印象的だった。世界のキタノもあの母親だけには、頭が上がらなかったのだろう。やはり、天才タケシを育てた秘密は彼女のなかにあったのだと得心した。

どんな親でも、子どもが死刑になることを望むなどありはしない。だが、あえてそう発言して子どもの不手際を社会に対してわびるのが、きちんとした大人の流儀というものだろう。自分のせいで親が世間に頭を下げる。その親の姿を見て子どもは、自分の過ちを悔い、生き方を改めるのだ。

こういう親に育てられた子どもは、どこか一本、筋が通った人間になる。歌舞伎役者の中村勘三郎さんもそうだ。
「こんなにバカだとは思わなかった。刑務所でもどこでも入れてほしい」
次男の中村七之助さんが、泥酔してタクシー代を払わなかったということで、ひと悶着が起きたことがあった。その報に接した勘三郎さんが、多くの報道陣に囲まれ口にしたコメントである。

この二つのケースは芸能人の事件であり、実際のところ、ことの真相は定かではないが、世間に対する芸能人の親のスタンスとしては立派なものだと思う。ここであげた二人の親の例が、そのまま一般の人の参考になるかどうかはわからない。

だが総じて、親を見れば子どものレベルもおよそ察しがつく。
もちろん、伴侶として選ぶかどうかは、当事者同士が決めることではあるが、恋する人間は視野狭窄(きょうさく)に陥りやすい。迷ったなら、ちょっと角度を変えて、その人の親をそれとなく観察してみるのがいいだろう。

もっとも親がモンスター・ペアレンツとか、モンスター・ペイシェンツなどなら問題外。その子どもは推して知るべしである。
世の中には、鳶(とび)が鷹(たか)を生んだり、親の心子知らずを地でいくようなケースもあるが、その人間の判断材料として、両親を観察してみるのは大いに有益だといえる。

 

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川北義則(かわきた・よしのり)
1935年大阪生まれ。1958年慶應義塾大学経済学部卒業後、東京スポーツ新聞社に入社。文化部長、出版部長を歴任。1977年に退社し、日本クリエート社を設立する。現在、出版プロデューサーとして活躍するとともに、エッセイスト・評論家として、新聞や雑誌などに執筆。講演なども精力的に行なっている。主な著書に『遊びの品格』(KADOKAWA)、『40歳から伸びる人、40歳で止まる人』『男の品格』『人間関係のしきたり』(以上、PHP研究所)など。

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『大人の「男と女」のつきあい方』
(川北義則 / KADOKAWA)
「年齢を重ねても、たとえ結婚していたとしても、異性と付き合うことによって、人間は磨かれる」というのが著者の考え。しかし、40歳を過ぎてから、 しかも家庭を持つ男の恋愛は難しいのが現実です。 本書は、成熟した大人の男と女が品格を忘れず、愉しくつきあうための知恵を紹介。 いつまでも色気のある男は、仕事も人生もうまくいく!

この記事は書籍『大人の「男と女」のつきあい方』からの抜粋です
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