「赤ちゃんの発達は面白い」。転生漫画がネットで話題の「赤ちゃんに転生した話」茶々京色さんインタビュー

ネットで話題の作品『赤ちゃんに転生した話』の書籍が2023214日に発売されます。本作では、ブラック企業で過労死した主人公が、大人の心を持ったまま赤ちゃんへと転生するも、想像以上に赤ちゃんには制限が多く、大変なことを実感していきます。人気の理由は、赤ちゃん特有のしぐさや行動の理由がリアルに描かれており、子育て世代の気づきや共感を得られたことではないでしょうか。医療従事者であり、一児の母でもある作者の茶々京色さんに、本作を描いたきっかけや作品への思いを伺いました。

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■「赤ちゃんの発達は面白い」ということを伝えたかった

以前から趣味で漫画やイラストを描かれていた茶々京色さん。

それまでも育児エッセイは描いていたそうですが、今回のようなフィクションに挑戦するのは初めてだったそうです。

「自分自身が子育てをするようになって、私の得た知識を漫画で分かりやすく共有できたらと思って描き始めました。描き始めた2020年当時、娘は生後6カ月でした。生後6カ月までは抱っこをしないと寝てくれない子どもで、寝かしつけるための抱っこ中は他のこともできず...。気分転換に漫画でも描いてみようと思ったのが、『赤ちゃん転生』が生まれたきっかけです」

赤ちゃんが成人男性の目線を持つことによって、成長過程での具体的な事柄が分かりやすく伝わってくるのが本作の面白いところです。

作中には、把握反射や新生児微笑など、赤ちゃんが本能から起こす動きがたくさん出てきます。

それら本能的な動きを、丁寧に、分かりやすく描いたストーリーは、医療従事者として活躍している茶々京色さんならでは。

「この漫画を描くときに、まずは『小児の発達は面白い!』ことを伝えたい思いがありました。たとえば『寝返りしたいのに、(肩が抜けなくて)寝返りができない』といった事情を、赤ちゃんは自分の言葉で伝えることはできません。そこで、大人目線で解説したら面白いかなと思いました」

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■育児の不安を解消する手助けとなる漫画に

読み手にとっては、「赤ちゃんのこの動きに、こんな理由があったなんて!」という新たな気づきに出合えることが、本作の大きな魅力です。

また、本作はさまざまなケースをリアルに伝えるために、茶々京色さん自身の体験は反映しないように心がけているとのこと。

「赤ちゃんの発達についてどう伝えたら分かりやすいのかが最も重要なので、できるだけ参考書や医学書に忠実になるようにエピソードを考えています。嫁姑の関係なども、より面白い! と思っていただけるように描いています」

参考書や医学書に忠実になるよう描いているからこそ、赤ちゃんの発達の様子がリアルに感じられるのですね。

そんな茶々京色さんに、本作を描く際に、最も大切にされていることを聞いてみました

「本作は、ママやパパだけでなく、育児に関わるすべての人の不安に寄り添えたらと思いながら描いています。子育ての悩みについて調べると『愛情不足かも』とか『発達が遅いのが原因』など、不安をあおる情報にアクセスしやすいものです。でも、そういうことばかりではないことを漫画で知っていれば、少しは安心して子育てできるのかもしれないと。そういった思いが、1人でも多くの方々に届けられたらうれしいです」

取材・文/寳田真由美(オフィス・エム)

 

漫画:茶々京色(ちゃちゃ きにろ)
漫画家。医療従事者。自らの出産育児経験を元に描いた漫画やエピソードがSNSで度々バズり、ネットニュースにも多く取り上げられている。
Twitter:@5cha_cha5

 

監修:Dr.しば
小児科専門医。小さなお子さんのいるご家庭向けのお役立ち情報をSNSにて発信中!
Twitter:@Shiba_kids

この記事は『毎日が発見』●年●月号に掲載の情報です。
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