モテる男は聞き上手。誠心誠意、耳を傾けることだ/大人の男と女のつきあい方

pixta_31104693_S.jpg40歳を過ぎ、しかも家庭を持つ男の恋愛は難しいのが現実。しかし、年齢を重ねても、たとえ結婚していても異性と付き合うことで人間は磨かれる、と著者は考えます。

本書『大人の「男と女」のつきあい方』で、成熟した大人の男と女が品格を忘れず愉しくつきあうための知恵を学びませんか?

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モテる男はどのようなことをしているか

ある女性がいて、その女性とどうしても親密になりたいと思っている男が二人いるとする。一人は恋愛でうまくいった経験の少ない男。彼は本当の自分を知ってもらいたいとばかりに、一生懸命に自分のことを話したがる。どこの大学を出たか、仕事でどんな実績を上げたか、どんなVIPの知り合いがいるか、自分をPRすることに夢中だ。だが、彼の奮闘むなしく、恋は成就しない。

いい恋愛を何度も経験したもう一人の男。彼は、まずは意中の女性の話に一生懸命耳を傾ける。女性の目を見つめ、ときにうなずき、ときに笑い、興味津々の表情を崩さない。自分が話すときでも自分の話題は最小限。女性に尋ねられないかぎり、自分の学歴や会社のことなど話さない。会話のほとんどは意中の女性に関することばかり。さりげなく服装を褒め、メークの上品さを指摘し、相手のチャームポイントを控えめに語る。気がつくと、二人の関係は何となく親密になっている。

「私のお客さんは、恋人のいない女性がほとんど。彼女たちはまだ出会えぬ恋のことを知りたい気持ちはもちろんある。でも、本当の目的は自分の話を聞いてもらうこと、自分のことを誰かに語れる場を求めているんです。だから、お金を出して私のところにやってくるんです」
知り合いの売れっ子占い師の言葉である。

 
「話の面白い男性が好き」
多くの女性はそういうが、女性にモテて話の面白い男というのは、よく観察してみると、驚くほど聞き上手である。男女を問わず誰でもそうだが、とくに女性は自分の話を親身になって聞いてくれる男をつねに求めている。ロクに話を聞かず、頭ごなしに物事を判断してしまう男性はいちばん嫌われる。恋愛でももちろんだが、女性の多い職場ではこの女性の特性を忘れると大変なことになる。

私の大学のクラスメートは某有名保険会社の重役にまで上り詰め、年金生活をしながらNPO活動で留学生の日本語指導をしている。年に数回、会食をする間柄だが、あるとき感慨深げにこんなことをいっていた。

「いやあ、大学時代に遊んでおいてよかったよ。失恋もしたけれど、考えてみるとそれも有意義な社会勉強だったね。何人かの女性とつきあって、女性に好かれるには、イヤというほど彼女たちの話を聞くことだと悟ったからね。まさか、仕事であんなに役立つとは思ってもみなかった」

生命保険会社に就職したエリート候補の男性営業マンは、まず各営業所に配属される。そこで、いわゆる「保険のおばちゃん」であるセールス・レディーから好かれ、彼女たちの信頼を得ることが仕事であり、成功する最大の秘訣であるといわれる。

保険の勧誘はもっぱら女性外務員の仕事であり、営業エリアの一般家庭や会社を訪ね、保険の契約をとってくるのは「保険のおばちゃん。」彼女たちの機嫌を損ねてしまっては数字が上がらない。その成績は、キャリア採用の男性社員が営業スタッフをいかに上手に管理、指導するかにかかっている。

私の友人は、女性とのつきあいで学んだ教訓を生かして成功したというわけだ。もちろん、上辺だけのテクニックではすぐに相手にバレて逆効果だ。誠心誠意、相手の話に耳を傾けることが必要だ。

「私たちは鵜飼いの鵜のようなもので、いい『鵜匠』さんなら、一生懸命仕事して鮎(あゆ)を捕ってくる気になるですよ。とにかく話を聞いてくれる上司がいちばん」

かつて私が生命保険の本をプロデュースしたとき、取材で話を聞いた保険の外務員の女性がいささか自嘲気味ではあるが、私の友人の話を裏づけるようにそんなことをいっていたものだ。

「女性を沈黙させる薬は誰も持っていない」
フランスのことわざだが、まさに至言。女性は自分の話を聞いてくれる男を決して悪くは思わない。このことを忘れてしまうと女性関係はうまくいかない。恋でも仕事でも、とにかく我慢強く女性の話を聞くことが成功への必須条件だ。
とにかく女性はおしゃべりが好きなのだ。女性同士の食事や喫茶店の「お茶」などでも、よくもまあ、飽きずにあんなにおしゃべりするネタがあるものだと、あきれるくらいいつまででもしゃべっている。

女性が飽きるほど話を聞いてあげれば、その女性との距離は縮まる。相手に対して警戒心を解いて素直に自分の気持ちを表すことを「胸襟(きょうきん)を開く」というが、もしかすると、女性は心の防御とともに肉体の防御も解きはじめるかもしれない。

 

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川北義則(かわきた・よしのり)
1935年大阪生まれ。1958年慶應義塾大学経済学部卒業後、東京スポーツ新聞社に入社。文化部長、出版部長を歴任。1977年に退社し、日本クリエート社を設立する。現在、出版プロデューサーとして活躍するとともに、エッセイスト・評論家として、新聞や雑誌などに執筆。講演なども精力的に行なっている。主な著書に『遊びの品格』(KADOKAWA)、『40歳から伸びる人、40歳で止まる人』『男の品格』『人間関係のしきたり』(以上、PHP研究所)など。

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『大人の「男と女」のつきあい方』
(川北義則 / KADOKAWA)
「年齢を重ねても、たとえ結婚していたとしても、異性と付き合うことによって、人間は磨かれる」というのが著者の考え。しかし、40歳を過ぎてから、 しかも家庭を持つ男の恋愛は難しいのが現実です。 本書は、成熟した大人の男と女が品格を忘れず、愉しくつきあうための知恵を紹介。 いつまでも色気のある男は、仕事も人生もうまくいく!

この記事は書籍『大人の「男と女」のつきあい方』からの抜粋です
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