整理収納に目覚め、収納用品を山ほど買い込み、家中をきれいに片付けたけれど、家事がラクになったかというと、そうでもない。そんな体験、身に覚えはありませんか?
整理整頓には、「ものを減らす」だけでなく、「手間を減らす」工夫をすることが大切です。
本書『大人のラク家事』で50代からの片づけ&整理整頓の工夫を学び、家事をラクにしてゆとりある暮らしを楽しみましょう! 今回は21回目です。
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前の記事「一緒に使うものはセットで収納すると手間が省ける/大人のラク家事(20)」はこちら。
デッドスペース、大好き
以前の我が家の納戸は、隙間がないほどものがパンパンに詰まっていました。パズルをはめ込むように収納ケースをはめ込み、収納上手!と自己満足をしていました。でもそれで使いやすかったかというと、答えはノーです。
まず、隙間のない収納では、頂きものなど予定外のものが増えたときに困ります。我が家では、収納できないものは廊下に積み重ねていました。しかも、出し入れしづらく、必要なものが探しにくく、掃除もしづらいと、いいことはありませんでした。でも、ものを大量収納する納戸はそんなもの、と思っていました。
我が家の納戸。右側半分に防災グッズ、保存用の水やDIY の工具類、趣味のバレーボールのものが。赤丸部分がデッドスペースです。
隙間のないきれいな収納はNG。
収納は8割以下が使いやすい
そんな考え方がガラリと変わったのは、整理収納アドバイザーの勉強をしてからです。「収納は、スペースの8割程度がベスト」なのです。2割もデッドスペースがあると「もったいない」「有効活用したい」と考えがちですが、とんでもない。使わないものを捨てて、8割どころか5割収納を実践している今は、デッドスペースがない収納は考えられません。
収納ケースからものを出して仮置き。これができるから便利。収納ケースを別室に持ち出すと、戻すのが面倒で散らかる原因に。
突然ものが増えても対応できますし、収納ケースから必要なものを取り出すときも、デッドスペースに仮置きができるので、とても便利。以前より風通しもよくなり、掃除もずっとラクになりました。取り出しにくいクローゼットや吊り戸棚の最上段は、無理に使わず、空いたままに。洗面所の下やトイレ上の収納棚も、がら空きのままです。
洗面台の下の棚の中。奥行きがありすぎて使いにくいので、ウエスとアイロンを入れているくらいで、あえて使わずガラガラのままに。
シンプルな暮らしをすることでできた収納の余白は、自分の心の余裕のような気がします。デッドスペース、大好きです。
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撮影/原田 崇、原田圭介
ブログ「Rinのシンプルライフ」主宰。整理収納アドバイザー1級。居宅介護支援専門員。片づけ・DIY・北欧インテリアが大好きで、シンプルライフを心がけている。最終目標である「軽やかで自由な老後」を迎えるために、快適な生活に役立つ整理収納法を探っている。
(Rin/KADOKAWA)
発売後、たちまち重版! 大人のためのラク家事のノウハウを一挙公開します。片付けや整理整頓は、それが最終目的ではなく、家事をラクにすること&リフレッシュするための自分時間を持つための手段です。そこで「ものを減らす」だけではなく、「手間を減らす」工夫を徹底的に考えました。すると、これまで「当たり前」だと思い込んでいた習慣ですらやめることができ、ゆとりができました。人気ブロガーRinさんがこれまで実践してきた「ラク家事」をまとめた1冊。