整理収納に目覚め、収納用品を山ほど買い込み、家中をきれいに片付けたけれど、家事がラクになったかというと、そうでもない。そんな体験、身に覚えはありませんか?
整理整頓には、「ものを減らす」だけでなく、「手間を減らす」工夫をすることが大切です。
本書『大人のラク家事』で50代からの片づけ&整理整頓の工夫を学び、家事をラクにしてゆとりある暮らしを楽しみましょう! 今回は5回目です。
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前の記事「「壊れていない」「高価だった」から捨てられないのはただの言い訳/大人のラク家事(4)」はこちら。
服は順位をつけて減らす
着ない服は捨てよう!そう決めてもなかなか整理が進まないのは、服を一枚一枚手に取り、「着る、着ない?」「高価だったし」と悩んでいるからではないでしょうか。服を捨てるときの判断基準は、「この先着るか、着ないか」ではなく、「今着ているか、着ていないか」。つまり、客観的な根拠(エビデンス)です。
エビデンスとは、医療や介護、健康の分野で一般的に使われている言葉です。普段はケアマネジャー(介護支援専門員)として仕事をしている私も、高齢者のケアプランを作成するときは、血圧の数値や1カ月の転倒回数、体重の増減などのエビデンスをもとに、3カ月後、半年後の改善目標などを立てています。客観的な数値があるとプランも立てやすいですし、目標も数値化したほうが行動に移しやすく、達成しやすいのです。この考え方は、ものの整理整頓や管理についても同じだと私は考えています。
服の使用頻度を数値化すれば、着る服、着ない服が客観的に把握できるので、処分しやすくなります。また、自分のライフスタイルに合った服の必要量や、クローゼットに無理なく収納できる量を数値化することで、必要以上に服を持たない快適な暮らしの目安にもなります。
服を整理するときのStep 1は、分類です。まず、傷んだ服は捨てましょう。次に(1)今週着た服、(2)今月着た服、(3)今シーズン着ていない服、(4) 今年一度も着ていない服に分類し、Step 2で着ていない服はその理由を吟味します。
2年間着ていない服を、この先も着るでしょうか。「お気に入り!」と言えない服は、潔く処分。お気に入りの服だけが詰まったクローゼットこそ、理想なのですから。
【Step1】服を分類する
●捨てる
・ほつれ、破れがある
・ボタンが取れている
・黄ばみ、シミがある
※ほつれている、ボタンが取れているのに修繕していないのは、その服に思い入れのない証拠。捨てましょう!
●分類する
(1)今週着た服......来ている服A
(2)今月着た服......来ている服A
(3)今シーズン着ていない服......来ていない服B
(4)今年一度も着ていない服......来ていない服B
【Step2】着ない理由を吟味する
着ていないBの服は、着なかった理由を吟味し、納得したら捨てる。2年間着ていないなら捨てる。
・サイズがちょっと合わない
・似合わない(太って見える、老けて見える)
・合わせる服がない
・着ていると疲れる
次の記事「スカートは3枚、ブラウスは5枚と上限を決める/大人のラク家事(6)」はこちら。
撮影/原田 崇、原田圭介
ブログ「Rinのシンプルライフ」主宰。整理収納アドバイザー1級。居宅介護支援専門員。片づけ・DIY・北欧インテリアが大好きで、シンプルライフを心がけている。最終目標である「軽やかで自由な老後」を迎えるために、快適な生活に役立つ整理収納法を探っている。
(Rin/KADOKAWA)
発売後、たちまち重版! 大人のためのラク家事のノウハウを一挙公開します。片付けや整理整頓は、それが最終目的ではなく、家事をラクにすること&リフレッシュするための自分時間を持つための手段です。そこで「ものを減らす」だけではなく、「手間を減らす」工夫を徹底的に考えました。すると、これまで「当たり前」だと思い込んでいた習慣ですらやめることができ、ゆとりができました。人気ブロガーRinさんがこれまで実践してきた「ラク家事」をまとめた1冊。