湿度が高い日本においてダニがいるのは当たり前。そして夏はダニの繁殖期です。近年、アレルギーになる人が増加傾向にある中、その原因となるダニ対策が重要になります。今回は、NPO法人東京アレルギー・呼吸器疾患研究所所属の白井秀治(しらい・ひではる)さんに「効果的なダニ対策」についてお聞きしました。
アレルギーは増加傾向
ダニ対策で健康を維持
室内で繁殖するダニは10種類程度。
中でも注目したいのが、アレルギーの原因にもなるチリダニです。
「チリダニのフンや死がいを繰り返し吸い込んだり、体に触れ続けたりすると、ダニに対するアレルギーになる可能性があります」と言うのは、ダニ対策に詳しい白井秀治さん。
「朝起きたときに鼻が詰まっている、ふとんの上げ下ろしでホコリが舞うと鼻水が出るなどの症状がある場合、ダニに対するアレルギー反応が起こっている可能性が考えられます」
近年、アレルギーになる人は増加傾向にあります。
暮らしの中でダニアレルギーにならない予防や、ダニアレルギーでも症状が出ないようにする取り組みが必要です。
ダニの特性を知って効果的にダニを退治!
ダニがいるのは当たり前
持続可能な対策がポイント
「ふとんはダニの温床になりやすいだけでなく、ふとんを敷いたり畳んだりすると、ふとんのホコリに含まれているダニのフンや死がいが空気中に舞い上がります。その量は通常の居間に浮遊する平均量のおよそ1000倍にもなります」と白井さん。
「ダニのアレルギーがある方はもちろん、いまはダニのアレルギーではないという方にとっても、ふとんのダニ対策はとても大切です」
湿度が高い日本においてダニがいるのは当たり前。
ダニをゼロにするのではなく、ダニの生態をよく知った上で、それぞれ家の事情に合わせて「続けられる範囲で」という気持ちで取り組みましょう。
《室内でダニが多いところトップ5》
1位 寝具
2位 ぬいぐるみ
3位 座ぶとん
4位 カーペット
5位 ソファ
「夏のふとん」対策でダニの増殖を防ぐ
「人が過ごす時間が長いところ(人のフケなどエサがある)」「わたが布で包まれたもの(隠れやすい)」、その条件がそろっているのが寝具。ふとんのダニ対策が増殖を防ぐポイントです。
ダニが繁殖するのは夏!
ダニは梅雨ごろから活動が活発になり、夏が一番の繁殖期。エサをよく食べ、フンをして、夏が過ぎると、ダニやダニのフン・死がいの量が最も多くなります。
出典︰白井秀治
ふとんはダニが好む環境
ダニの活動が活発になるのは、気温25度前後、湿度65~75%くらい。ふとんは湿って暖かく、エサになる人のフケやあかもあり、ダニが繁殖しやすい環境です。
取材・文/米原晶子 イラスト/しまだなな