【カムカムエヴリバディ】五十嵐のハグにSNS大盛り上がり! 本郷奏多さんの感慨深い「地続き感」とは?

毎日の生活にドキドキやわくわく、そしてホロリなど様々な感情を届けてくれるNHK連続テレビ小説(通称朝ドラ)。毎日が発見ネットではエンタメライターの田幸和歌子さんに、楽しみ方や豆知識を語っていただく連載をお届けしています。今週は「ひなた×五十嵐の恋愛模様」について。あなたはどのように観ましたか?

※本記事にはネタバレが含まれています。

【前回】あれもこれも算太のしわざ? 重なり立体感が増してきた登場人物たちの歴史

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ラジオ英語講座を軸に、3世代ヒロインの100年の物語を紡ぐ、藤本有紀脚本のNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の18週目。

本作も残り6週間となったが、朝ドラでは終盤やることがなくなる作品も多い中、本作は壮大なクライマックスに突入したばかり。

今週は、3世代を貫くキーの一つ"モモケン"こと初代と2代目・桃山剣之介(共に尾上菊之助)、3世代がデートで観たモモケン主演映画『棗黍之丞』シリーズ『妖術七変化! 隠れ里の血統』で敵役を務めた伴虚無蔵(松重豊)、そしてひなたが勤める映画村の2代目モモケン出演CM撮影現場に現れた振付師「サンタ黒須」こと安子の兄・算太(濱田岳)が結びついてくる展開だった。

冒頭ではリメイク版『妖術七変化』の敵役をかけたオーディションで、原作で敵役を務めた伴虚無蔵(松重豊)と五十嵐文四郎(本郷奏多)が一緒に殺陣を行う。

しかし、それを見ていたモモケンが虚無蔵の相手をすることに。

そこで明かされたのは、初代が2代目へのあてつけで虚無蔵を抜擢したわけではなく、団五郎(2代目モモケン)よりも良い役者として評価していたということ。

だからこそモモケンは、虚無蔵を頼っては父を超えられないと言うのだ。

しかも、ひなたはモモケンから思いがけない話を聞く。

団五郎がテレビで活動するようになった頃、初代が急逝し、2代目モモケンを襲名したが、それは4月4日、ひなたの生まれた日だったこと。

そして、黍之丞シリーズを人気テレビ番組にした一方で、映画一筋だった父の仕事を汚しているのではないかと悩んでいた折、サイン会に来た小学5年生のひなたの質問に、「志を失わなければきっとなれる」とアドバイスし、モモケン自身が驚いたこと。

これは実は父の口癖でもあった。

さらに、ひなたから手渡された回転焼きを食べて、以前振付師のサンタから聞いた、あんこを美味しくするおまじない「おいしゅうなれ」を思い出し、自分を見放したと思った父が見守ってくれていたのだと気づいたことなど......。

そこに父・金太(甲本雅裕)の算太への思いも重なってくる。

その後、ひなたはサンタにモモケンお気に入りの回転焼きを食べてみたいと言われ「大月」に案内する。

しかし、「るい」と呼ばれる女性を見た瞬間、その名を呟き、姿を消すサンタ。

もはや算太を追い続けるのが本作のサブストーリーなのだ。

それと並行して、今週はひなた×五十嵐の恋愛模様が描かれる。

敵役としてはオーディションで落ちてしまうが、モモケンの推薦で初めて名前のある役に抜擢された五十嵐は、その映画をひなたと一緒に観に行き、大月家で一緒に食事をするように。

その後、すみれ(安達祐実)の茶道の特訓の付添いで忙しいひなたとなかなか会えずにいると、ひなたの帰りを待っていた五十嵐が「寂しいだろ、バカ......」とハグ。

これにはSNSが大盛り上がりだった。

ただし、それから五十嵐が役者として順調に売れていくわけではなく、8年後も名もない大部屋俳優を続けていること、時代劇自体がますます苦しく、27歳のひなたと29歳の五十嵐の関係も難しい時期に来ていることが描かれるのだが......。

ところで、本郷奏多というと、幼少期のキッズモデル時代から31歳の現在まで人生のほとんどの時期で仕事をしてきたベテラン俳優だ。

NHKの覚えもめでたく、人気漫画やアニメの実写化作品にも多く出演し、作品自体が原作ファンに受け入れられないときですら「本郷奏多だけは良かった」と評価されることもしばしば。

にもかかわらず、2020年11月15日に30歳を迎えたときには、「今年こそはブレイクしたい」と抱負を語っていたのが印象的だった。

それだけに、キャリアも実力も確かな俳優が、ようやく国民的な大河ドラマ『麒麟がくる』(2020年1月-2021年2月)を経て、「朝ドラ」で中高年層にまで浸透したというのは、『カムカム』と地続きのようで、なんだか感慨深い。

余談だが、3月4日『徹子の部屋』(テレビ朝日)に芸人・ロバートが出演し、秋山竜次の父が元「大部屋俳優」で、梅宮辰夫の作品にもチョイ役で出たことがあったことを語っていた。

その梅宮辰夫ネタで秋山がブレイクしことも、まるで『カムカム』のような素敵なファミリーヒストリーだった。

文/田幸和歌子

 

田幸和歌子(たこう・わかこ)
1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経て、フリーランスのライターに。ドラマコラムをweb媒体などで執筆するほか、週刊誌や月刊誌、夕刊紙などで医療、芸能、教育関係の取材や著名人インタビューなどを行う。Yahoo!のエンタメ公式コメンテーター。著書に『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)など。

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