【愛犬・愛猫の健康】獣医師が考える「腸活よりも大切にしたい3つのこと」

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『うちのワンコが、ニャンコが、死んじゃったらどうしよう』 (獣医師シワ男/KADOKAWA)第9回【全10回】

愛する家族、ワンちゃんやネコちゃんとの「お別れ」は、いつか必ず通る道。大人世代の飼い主にとって、その不安は切実なものです。書籍『うちのワンコが、ニャンコが、死んじゃったらどうしよう』(KADOKAWA)は、長年多くの動物を見送ってきた獣医師が、その不安を「安心」と「癒やし」に変えるためのヒントを伝えています。涙なしには読めませんが、読み終えたとき、きっと心の準備ができ、後悔のない看取りへの道筋が見えてくるでしょう。今回はこの本の中から「最期に、この子にとって本当に幸せな選択は何か?」という問いと向き合うために、知っておきたいことをご紹介します。

※本記事は獣医師シワ男 (著)による書籍『うちのワンコが、ニャンコが、死んじゃったらどうしよう』から一部抜粋・編集しました。

健康は、消化管から

「体は食べたものからできている」と、よく言われている。正確には食べたものを消化管で「消化、吸収した栄養素」からできている。

ふんだんに栄養があるものや、体にいいものを食べても、消化管の状態が悪くて「消化、吸収」できなければ意味がない。それどころか、消化、吸収できない食べ物は、大腸で腐る。

いいものを一生懸命取り入れても、腐れば体には悪影響になる。

「消化、吸収」というと、腸の話だから、「腸活するといい」って思いがちだが、それは大腸の話。「消化、吸収」は胃や小腸の話。

「消化、吸収」をよくするために腸活しても、あまり効果がない。

犬猫の消化管が弱っているのに、「あれにいい、これにいい」って、サプリメントや、体にいい食材をてんこ盛りにあげている人がいるけど、それ全部、「消化、吸収できていますか? 逆に消化管の負担になっていませんか?」。あげすぎかも、という健康志向の飼主さんが多い。

「じゃあ、消化管の状態をよくするにはどうしたらいいの?」と思うよね。消化管の状態をよくするには、「ストレスを減らす」「いい睡眠を取る」「運動をする」。この3つが大事なのさ。この中でも最も大事なのは運動。運動不足の犬猫が、ホントに多い。運動不足によって代謝が落ちるし、筋肉もつかない。骨格や関節に問題が出てきて、血液の循環も悪くなるし、ストレスにもなるし、いろんな問題が起こる。

例えば、トイ・プードルやミニチュア・ダックスフンドは、本来狩猟犬だから十分な運動を必要とする犬種なのに、運動不足によって足腰の筋肉が少なく、背中が曲がっていたり、関節に問題があったりする。

運動すると血液循環がよくなって、筋肉がついたり、ストレスが軽減して自律神経が整う。すると、胃腸の働きもよくなって、腸のバリア機能の改善にもつながる。

病気や高齢で運動ができないのに、体にいいものをたくさんあげても、「消化、吸収」できなければ、余計な負担が体にかかる。その前に、消化管の状態をよくするのが先なのさ。

 
※本記事は獣医師シワ男 (著)による書籍『うちのワンコが、ニャンコが、死んじゃったらどうしよう』から一部抜粋・編集しました。
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