犬や猫が出す「小さなサイン」に気づけるか。獣医師が教える「チェックポイント」

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『うちのワンコが、ニャンコが、死んじゃったらどうしよう』 (獣医師シワ男/KADOKAWA)第3回【全10回】

愛する家族、ワンちゃんやネコちゃんとの「お別れ」は、いつか必ず通る道。大人世代の飼い主にとって、その不安は切実なものです。書籍『うちのワンコが、ニャンコが、死んじゃったらどうしよう』(KADOKAWA)は、長年多くの動物を見送ってきた獣医師が、その不安を「安心」と「癒やし」に変えるためのヒントを伝えています。涙なしには読めませんが、読み終えたとき、きっと心の準備ができ、後悔のない看取りへの道筋が見えてくるでしょう。今回はこの本の中から「最期に、この子にとって本当に幸せな選択は何か?」という問いと向き合うために、知っておきたいことをご紹介します。

※本記事は獣医師シワ男 (著)による書籍『うちのワンコが、ニャンコが、死んじゃったらどうしよう』から一部抜粋・編集しました。

小さなサインに気づけるか

犬猫って「痛い」とか、「しんどい」「つらい」「だるい」なんて言わないから病気に気づきにくい。

「ごはんを食べないんです」「元気ないんです」と言って飼主さんが病院に連れてきた時には、犬猫の状態が悪くなっていることが多い。

それでも小さなサインが出ていることがある。

その小さなサインに気づいてほしい。

「昨日までは食べていた」「一昨日までは元気だった」と飼主さんは言うけど、何らかの具体的なサインが出ているんだよね。

例えば、慢性腎臓病だったら、「お水を以前より飲むようになっていた」「おしっこの色が薄くなってきた」「あまり動かなくなっていた」「食べる速さがゆっくりになっていた」「高いところに登らなくなった」「寝ている時間が多くなった」「体重が減ってきた」など、何かしらのサインは出ている。

急に悪化することもあるけど、よくよく話を聞いてみると、やっぱり、その前からサインが出ているんだよね。 

「年を取ったから、こんなものかなと思った」と飼主さんに言われるんだけど、そうじゃないことが結構あるのさ。

異常がなければ年齢のせいかもしれないけど、病気で年を取ったように見えていることがよくある。

慢性腎臓病の末期でぐったりして吐いて、よだれが出て、下痢をして、痙攣を起こすと犬猫もしんどいし、つらい。その前にできることがある。

犬猫と一緒に暮らした幸せな時間、楽しい時間を過ごして、癒いやされたりして、犬猫から得られる恩恵がぼくら飼主にはたくさんあると思う。ただ世話をしているだけじゃないはず。

犬猫に敬意を示してほしいと僕は思う。もっと関心を持って見てあげて。言葉を話せない犬猫を、「食べているから、いい」「もう年だから、こんなもん」ではなく、小さなサインを見逃さないで。

 
※本記事は獣医師シワ男 (著)による書籍『うちのワンコが、ニャンコが、死んじゃったらどうしよう』から一部抜粋・編集しました。
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