犬も猫も「おとなしくていい子」は要注意。隠れたストレスを見抜く方法を獣医師が解説

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『うちのワンコが、ニャンコが、死んじゃったらどうしよう』 (獣医師シワ男/KADOKAWA)第2回【全10回】

愛する家族、ワンちゃんやネコちゃんとの「お別れ」は、いつか必ず通る道。大人世代の飼い主にとって、その不安は切実なものです。書籍『うちのワンコが、ニャンコが、死んじゃったらどうしよう』(KADOKAWA)は、長年多くの動物を見送ってきた獣医師が、その不安を「安心」と「癒やし」に変えるためのヒントを伝えています。涙なしには読めませんが、読み終えたとき、きっと心の準備ができ、後悔のない看取りへの道筋が見えてくるでしょう。今回はこの本の中から「最期に、この子にとって本当に幸せな選択は何か?」という問いと向き合うために、知っておきたいことをご紹介します。

※本記事は獣医師シワ男 (著)による書籍『うちのワンコが、ニャンコが、死んじゃったらどうしよう』から一部抜粋・編集しました。

「いい子」の病気は気づきにくい

飼主さんが、「うちの子おとなしくて"いい子"なんです」「噛んだりしないし、怒ったりしない"いい子"なんです」と言われる犬猫は、要注意。訓練したから「いい子」ならいいんだけど、元からおとなしくていい子とか、怒ったりしなくていい子って、中にはとっても我慢している子がいる。

日々、診察していると、「おとなしい子」と「怒りんぼの子」では、怒りんぼの子のほうが長生きする傾向がある(勝手な主観)。

怒りんぼの子は、大病になっても復活したり、もう危ないかなって思っても戻ってきたりする。また、病気になって調子が悪くなると、「調子悪っ」という態度をするからわかりやすい(笑)。

おとなしい子は、ストレスを抱えている子も多い。

「いい子」ほど短命だったり、病気になりやすかったりする。おとなしくて引っ込み思案で、上目遣い、鼻をペロペロと舐めて、あくびが多い子は、結構、我慢しているから注意して見てあげて。

僕の家の猫も「いい子」なんだけど、超ビビりで、すごく我慢しているのがわかる(笑)。引っかいたり、噛んだり、怒ったりしないけど、すごく我慢している。

うちの猫は、食物アレルギーと関節症、ヘルペスウィルスキャリアーくらいなんだけど、これから先、どうなるかわからない。ストレスを抱え込んでいるから、他の病気になるかもと危惧している。ただ、その状態を飼主がわかっていれば僕はいいと思う。なぜなら、猫のストレスを減らす生活をしようと努力したって、うちの猫のビビりな性格が直るわけじゃない。うちの猫は自分の性格と生涯、付き合っていかなきゃいけないから。それはしょうがない。

ぼくら飼主ができることは、「我慢してがんばっている子」に安心して生きていけるようにしてあげることだと思うのさ。

 
※本記事は獣医師シワ男 (著)による書籍『うちのワンコが、ニャンコが、死んじゃったらどうしよう』から一部抜粋・編集しました。
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