犬や猫を不安にさせる、飼い主の「心配」。体調に影響を与えないため、獣医師が試してほしいこと

犬や猫を不安にさせる、飼い主の「心配」。体調に影響を与えないため、獣医師が試してほしいこと 0705.jpg

『うちのワンコが、ニャンコが、死んじゃったらどうしよう』 (獣医師シワ男/KADOKAWA)第7回【全10回】

愛する家族、ワンちゃんやネコちゃんとの「お別れ」は、いつか必ず通る道。大人世代の飼い主にとって、その不安は切実なものです。書籍『うちのワンコが、ニャンコが、死んじゃったらどうしよう』(KADOKAWA)は、長年多くの動物を見送ってきた獣医師が、その不安を「安心」と「癒やし」に変えるためのヒントを伝えています。涙なしには読めませんが、読み終えたとき、きっと心の準備ができ、後悔のない看取りへの道筋が見えてくるでしょう。今回はこの本の中から「最期に、この子にとって本当に幸せな選択は何か?」という問いと向き合うために、知っておきたいことをご紹介します。

※本記事は獣医師シワ男 (著)による書籍『うちのワンコが、ニャンコが、死んじゃったらどうしよう』から一部抜粋・編集しました。

飼主の心配が、犬猫を病気にしている!?

ぼくら飼主の心配の波動(※)が、犬猫を病気にする。これ、ホント。

ぼくら飼主は、犬猫が病気になったら心配になるよね。

「大丈夫かな」「治るかな?」っていう心配は、重い波動をぬぉ~って漂わせるらしい。

心配や不安って、暗い、重い、ぬぉ~(笑)、どんよりしているって感じがする。楽しい、うれしいって、明るい、軽い、晴々しい、パァーって感じがする。僕の勝手なイメージだけどね。

ある日、うちの猫が下痢をした。レントゲン検査したら直腸にポリープのようなものが見つかった。「まずいな、直腸腫瘍の可能性があるな」「猫で直腸にできるポリープは腺がんが多いし......」「内視鏡検査が必要になるかな」って、獣医師なのに不安になった。

いつもなら食事を残しても、「そのうち食べるだろう」と気にもしないのに、少し残しただけで心配になる。猫に「どうしたの?」「調子悪いの?」「痛いの?」「食欲ないの?」と声をかけたり、顔を見たり、触ったりしながら。

いつもと違う僕の心配そうな顔つきや態度、声のトーンで、猫が不安になって部屋の隅に隠れたり、僕から逃げるようになったりして、猫の気分も悪くなる。猫自身はなんとも思っていないのに、僕が「調子の悪い猫」に仕立て上げて、なんでもないはずなのに「やっぱり」って病気の証拠集めをしていく。そうやって、うちの猫を「僕が」病気にしていく。

ぼくら飼主の心配が、犬猫を病気にしてしまう。

そんな時はアホになって、「心配なのさ。アハハハ(笑泣)」「不安なんだよ。アハハハ(笑泣)」と笑いながら言ってみよう。

犬猫に「こいつ、なんか笑っている」と思われれば、犬猫に不安げな重い波動を与えずに済む。家の中でやれば、他人に見られないから、やってみて。

※波動:波がうねるような動きをしたエネルギーが伝わる現象。

イラスト/坂野りんこ

 
※本記事は獣医師シワ男 (著)による書籍『うちのワンコが、ニャンコが、死んじゃったらどうしよう』から一部抜粋・編集しました。
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