【高齢の犬・猫と向き合う】獣医師が教える「2つの最重要課題」

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『うちのワンコが、ニャンコが、死んじゃったらどうしよう』 (獣医師シワ男/KADOKAWA)第10回【全10回】

愛する家族、ワンちゃんやネコちゃんとの「お別れ」は、いつか必ず通る道。大人世代の飼い主にとって、その不安は切実なものです。書籍『うちのワンコが、ニャンコが、死んじゃったらどうしよう』(KADOKAWA)は、長年多くの動物を見送ってきた獣医師が、その不安を「安心」と「癒やし」に変えるためのヒントを伝えています。涙なしには読めませんが、読み終えたとき、きっと心の準備ができ、後悔のない看取りへの道筋が見えてくるでしょう。今回はこの本の中から「最期に、この子にとって本当に幸せな選択は何か?」という問いと向き合うために、知っておきたいことをご紹介します。

※本記事は獣医師シワ男 (著)による書籍『うちのワンコが、ニャンコが、死んじゃったらどうしよう』から一部抜粋・編集しました。

ハイシニアの子は体重、筋肉を落とさないで

犬猫の管理は、すべてぼくら飼主に委ねられている。

共に暮らす犬猫は、ぼくら飼主からもらう食事やおやつしか食べられない。自分でコンビニに行って、弁当やお菓子を買って食べることはできんのよ(笑)。

ハイシニアになった時に食べる量が少なくなったり、食べなくなってきたりして、さらに慢性腎臓病を患っていたりすると、食事は腎臓病用の療法食を徹底されて、「それ以外は食べてはいけない」と獣医師から指導される。

僕も療法食を使うことがあるけど、食べない子っているよね。慢性腎臓病だと、タンパク質を制限しなくちゃいけないから、トッピングにしていたササミやかつお節などが使えなくて余計食べない。

食欲がさらに落ちて、食べる量が少なくなっても、それでもなお、療法食にこだわり続けて、ますます体重が落ちて痩せていき、筋肉が落ちて体が支えられなくなって、ふらふらしたり、立ち上がれなくなってしまう......。それでホントにいいのか!?

腎臓が悪くても、体を支えるのに必要な栄養は摂らないといけないわけで、犬猫の体は腎臓だけで生きているわけじゃないし、いくら腎臓によくても必要量を満たさなければ痩せていく。食べなきゃ体は維持できない。

それならハイシニアは、人の食べ物であろうが、塩分が多かろうが、この先の生涯を考えたら、食べたほうがいい。

食べるものを優先して、何食べてもいいなんて、先が短いハイシニアの特権だと思うのさ。

この先、十何年も生きるのは難しいハイシニアは、
1.体重を落とさない
2.筋肉を落とさない
の2つが最重要課題!

犬猫それぞれの状況に合わせた対応をする必要がある。

 
※本記事は獣医師シワ男 (著)による書籍『うちのワンコが、ニャンコが、死んじゃったらどうしよう』から一部抜粋・編集しました。
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