
『頭のいい子が育つ! 子どもに話したい雑学』 (多湖 輝/KADOKAWA)第3回【全10回】
子どもを持つ親たちだけでなく、おじいちゃんやおばあちゃんにもぜひ読んでほしい「教養系雑学」。本書『頭のいい子が育つ!子どもに話したい雑学』(KADOKAWA)は、子どもに今すぐ話したい、なるほど「知識」が満載の1冊です。子どもが「へー!」と興味を持つような、面白くてためになる知識が、教科別にわかりやすくまとめて掲載されています。ここで得た新しい知識は、孫との会話の「隠しネタ」になるはず! 今回はこの本の中から、子どもが思わず「すご~い!」と言ってしまう、おもしろ知識や生活の知恵をご紹介します。
※本記事は多湖 輝監修の書籍『頭のいい子が育つ! 子どもに話したい雑学』から一部抜粋・編集しました。
どんぶり物の「丼」って何のこと?
日本人はどんぶり物が大好物。牛丼や天丼、親子丼、海鮮丼など、さまざまな丼が人気を博している。
これらの料理につく「丼(どんぶり)」の文字は、どういう意味なのだろうか。その由来は江戸初期の寛文年間(1661〜73)にまでさかのぼる。
当時は食事を一杯ずつ鉢に盛り切りで売る「慳貪屋(けんどんや)」という店があった。そこで出される「慳貪ぶりの鉢」が「どんぶり」と略され、やがて鉢盛の料理全般を指すようになった。
「丼」という漢字は井戸を意味し、「井」の本来の字。井は枠を、真ん中の点は釣瓶(つるべ)やわいた水を表す。中国では「トン(タン)」と読み、井戸に物を投げ込んだ時の「ドブン」という水音に由来しているそうだ。「どんぶり」を漢字にあてる際、その水音とどんぶりの発音が似ていて、字の形もピッタリだったため、「丼」の字が採用されたという。
こうして丼の発祥の店となった「慳貪屋」だが、その店名は、客に対して「つっけんどん(突慳貪)」だということからつけられた。
「慳」は物惜しみすること、「貪」はむさぼるという意味で、ケチで欲深いことを「慳貪」という。しかし、あまりにも露骨なので、「見頓屋」という字が当てられることもあったようだ。そんな店なら潰れてしまいそうなものだが、おかわりなし、掛け値なしの安直さが受けて、江戸中期の寛政年間(1789〜1801)頃まで江戸で大繁盛したという。






