「辛党=辛いもの好き」「こそく=卑怯」は間違い! 意味を間違えやすい言葉20選

御の字

「御」は尊敬を表す接頭辞なので、「『御』の字を付けたいほど非常に有り難いもの」というのが本来の意味です。2018年度の文化庁の調査によると、49.9%の人が誤った意味で理解しています。

しおどき

「潮時」という漢字の通り、船で海を渡る時の丁度いい潮の満ち引きを表します。スポーツ選手や政治家の引退の際によく使われることから、「終わり」という誤用が広まったと考えられます。2012年度の文化庁の調査では、60%の人が正しい意味を理解していた一方、36.1%の人が誤った意味で理解していました。

おもむろに

漢字で書くと「徐に」。徐行運転などで使われるように「ゆっくり」を意味します。「おもむろに」の「おもむ」は、古語の「赴(おもむく)」に由来します。「のろのろと」などより上品な感じがしますね。2014年度の文化庁の調査では、40.8%の人が誤解しています。

性癖

元々は、人間の心理や行動に現れる癖や偏り、傾向、性格、性質のことを指します。例えば、虚言癖や収集癖なども該当します。しかし、最近は「性」の字から性的嗜好の意味合いで使われることが多くなっています。

げきを飛ばす

げきを「激」と勘違いして誤用が広まっていますが、「檄」が正しい漢字。檄とは、自分の主張を述べて同意を求め、行動を促す文書のことです。日本では江戸時代に「檄文」という形で広まり、幕末の志士たちがよく使用しました。2017年度の文化庁の調査によると、67.4%の人が誤解しています。

気が置けない

「気が置ける」は相手に対してあれこれ考えてしまう時に用いる言葉です。それの反対なので、気遣いする必要がないという意味ですが、「信頼が置けない」などの使い方と混同して誤用が広まったと考えられます。2006年度の文化庁の調査によると、48.2%の人が誤解しています。

うがった見方

「うがつ」とは「穴を掘る」という意味で、そこから転じて「物事を深く掘り下げ、本質を的確に捉える」という意味でも用いられる言葉です。2023年度の文化庁の調査では、60.7% の人が誤った意味で理解しており、否定的なニュアンスで使われることも多くなっています。

敷居が高い

元々は不義理の意味合いが含まれていましたが、最近は「ハードルが高い」「垣根がある」などの表現と混同していると考えられます。2019年度の文化庁の調査では、56.4%の人が誤解していました。

天地無用

運送業界用語で、「天地入替無用」から来ており、荷物の上下を間違えないようにするための注意書きです。「無用」は「~してはいけない」という意味です。2013年度の文化庁の調査では、約3割の人が誤った意味で理解していました。

一姫二太郎

最初に生まれる子は育てやすい女の子で、2人目は男の子の順に授かるのが理想的という江戸時代からの社会観念を反映した言葉です。類似表現に「一男一女」がありますが、こちらは性別の順序を問わず、男女1人ずつを意味します。2000年度の文化庁の調査によると、33.7%の人が誤解しています。

 
※本記事はけんたろ著の書籍『けんたろ式“見るだけ”ことば雑学辞典 図解とクイズで広がる教養』から一部抜粋・編集しました。
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