突然くる、体のバランスが保てなくなるような感覚----めまいは、全人口の約20%、高齢者では約30%が苦しめられている症状らしい。その中でも特に厄介なのが、足元がふわふわとおぼつかないように感じられる「ふわふわめまい」。患者数は2200万人以上といわれ、病院に行ってもその多くは原因不明と診断されるというから、治療法はないのかと途方に暮れている人は少なくないだろう。
※この記事はダ・ヴィンチWebからの転載です。
そんな「ふわふわめまい」に悩まされている人は、月間600人以上が訪れる予約が取れない人気鍼灸院・鍼灸TAKAの院長で自律神経専門鍼灸師の小塚高文氏の本を読んでみてほしい。その名も『ふわふわめまいを自分で治す本』(自由国民社)。これまで数多くのめまい患者をみてきた小塚氏によれば、「ふわふわめまい」は、病院で治らなくても、もう治らないものだとあきらめる必要はないという。小塚氏は西洋医学では原因不明と診断されがちな「ふわふわめまい」に、東洋医学の観点からアプローチ。本書では、やさしいセルフケアの方法を教えてくれる。
小塚氏によれば、「ふわふわめまい」に悩んでいる人の多くが、東洋医学でいう「のぼせ」という状態にある可能性が高いという。「のぼせ」とは、上半身が熱くなり、逆に下半身が冷えている状態。「頭を中心に汗をかく」「手足が冷えている」「下腹部がぽっこり出ている」という人は、まさに「のぼせ」が生じている可能性が高いらしい。その根本の原因は、下半身の血流の悪化。下半身の血流が悪くなると、首や肩回りの筋肉が凝り固まり、頭に多くの血液が残されて、これが「ふわふわめまい」につながるのだそう。
そこで、小塚氏はこれまでの施術経験から得てきた知見をもとに、下腹部周辺の血流を促進する骨盤底筋とふくらはぎの筋肉に対するオリジナルメソッドを考案。実際に試してみると、1分ほどでできてしまうその方法の手軽さには驚かされてしまう。
メソッドの基礎となる「骨盤呼吸法」は、イスに姿勢を正して座り、息を細く長くゆっくり吐くだけ。「足首回し&ふくらはぎもみ」もその名の通り、足首を回し、ふくらはぎをもむだけ。もちろん、効果を発揮するためには、たとえば「骨盤呼吸法」では、いかに正しい姿勢をとるかが大切だし、息を吐くのにも、口をすぼめたり、おしりの穴をキュッと締めるように意識したりと、気をつけなければならないポイントがたくさんある。だが心配無用。この本ではイラストと文章で分かりやすく解説してくれているし、二次元コードから見られる動画でやり方が確認できる。多くの患者さんに効果があったとされるメソッドを、自宅で正しい方法で、試すことができるのだ。
さらにこの本では、とっさのめまいに役立つQ & Aとして、「急に暑くなった日に」「寒くなった日に」「緊張や焦りなどでパニクって」など場面別の対処法も教えてくれる。また、応急処置としてのツボ押し法を教えてくれるので、「いつ症状が出るか分からなくて怖い」と感じている人にとって、これほどありがたいことはないだろう。
症状を改善するためのメソッドと、症状が出た時の対処法を教えてくれるのはとても心強い。「ふわふわめまい」に対して、病院で満足な答えが得られなかったという人も、本書のセルフケアを試してみてはいかがだろうか。
文=アサトーミナミ