「お義母さんとうまくやっていけるかな」。新生活への不安を抱きながら、ついに迎えた同居スタートの日。義母は、もともと使っていた洗濯機と冷蔵庫とともに引っ越してきました。この洗濯機というのが、古すぎて脱水時にガガガガ...と大爆音が出るような代物。爆音によって赤ちゃんは起きるし、夫のテレワークにも響くしで、大変な騒ぎです。
他にも義母は、ご飯を作らせておいて文句を言う、ドカドカと洗濯物を干して寝ついたばかりの赤ちゃんを起こす、人のパンツを見て「顔に似合わず結構派手なのね」と笑う...など、さとこへのイビリや意地悪をやめません。さとこはそれでも義母に嫌われたくなくて、我慢しつづけるのですが...。さとこの話はもちろん、息子・たろうからの注意にも聞く耳を持たず、やりたい放題の義母。読んでいるほうまでモヤモヤしてしまいます...!
ところが、そんなさとこのもとに救世主が! さとことは真逆で意見をしっかりと言うタイプの妹が、家に遊びに来たのです。そこへまた、ガガガ...と爆音を放つ洗濯機。その古さに驚いた妹が「買い替えなよ!」とさとこに話しかけると、その言葉にイラッときた義母と妹との口論が勃発。「最近の子は何でもポイポイ買い替えて...」と嫌味を言う義母でしたが、あまりにも正論を投げる妹にタジタジ...。さとことたろうに助けを求めようとしますが、妹の言うことに一理あると感じた2人は何もこたえることができません。
これまではどれだけ意地悪をされても、言いたいことを全部飲み込んできたさとこ。ところが、妹から「自分のことを救えるのは自分だけなんだよ」と言われ、「このままではいけない」と我に返ります。「自分を大事にしてくれない人を大事にする必要ってある?」という妹の言葉も、誰かからイビリや意地悪をされている人たち全員に知らせたいメッセージ。妹、かっこいいです...。
妹の登場から急展開したお話は、スカッとするようなラストを迎えます。さとこは義母との戦いで何を得たのでしょうか? 変わっていくさとこの姿に、夫のたろうがどう反応するのかも見どころのひとつ。いま、家庭や仕事で悩みを抱えている人は、本書を読んで、みんながラクになるような合理的な解決法が見つかるかもしれません。最後の最後までお楽しみください!
文=吉田あき