【舞いあがれ!】いよいよ本編突入へ。異例の「子役時代3週目」で描かれた「光」と「影」

そして10年後。

浩太の会社は二つの工場と18名の従業員を抱えるほどに成長し、18歳になった舞(福原遥)は浪速大学の航空工学科に入学。

悠人は東大に入学・就職活動中だ。

愛おしかった子役時代が終了し、寂しさがこみ上げる中、サークル探しで「なにわバードマン」なるサークルに声を掛けられ、イケメンの先輩に目を奪われる友人たちと違い、人力飛行機に目が釘付けになる舞が全く変わっていないことにホッとする。

朝ドラとしては異例の長さとなった3週間の子役時代を経て、いよいよ本編突入。

阪神淡路大震災が描かれることなく2004年に移行し、誰も亡くなっていないことにも安堵する。

しかし、本作のメインライター・桑原亮子氏は自身が被災しており、被災者の心のケアに奔走した精神科医を描いたドラマ『心の傷を癒すということ』の脚本家でもあるだけに、今後どのようなかたちで震災が描かれるかにも注目していきたい。

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文/田幸和歌子
 

田幸和歌子(たこう・わかこ)
1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経て、フリーランスのライターに。ドラマコラムをweb媒体などで執筆するほか、週刊誌や月刊誌、夕刊紙などで医療、芸能、教育関係の取材や著名人インタビューなどを行う。Yahoo!のエンタメ公式コメンテーター。著書に『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)など。

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