いまが旬のマッシュルームは、さまざまな調理方法で楽しめる便利な食材。管理栄養士で料理研究家の成澤文子さんに、よりおいしくいただくためのコツと活用レシピを教えてもらいました。
しいたけの3倍のうま味
マッシュルームだし
60~70度のぬるめのお湯でじっくり煮込むことで、マッシュルームの中のうま味が染み出し、おいしい「だし」に。
冷ましたものは冷蔵庫で3日間保存でき、料理に利用できます。
マッシュルームみそ汁
マッシュルームだしにみそを溶くだけで、おいしい汁物が完成。かつお節などのだしいらずで作れ、上品な味と香りを楽しむことができます。お好みの具を入れてアレンジを楽しんで。
1人分17kcal/塩分0.9g
材料(2人分)
マッシュルーム...6~8個
水...300ml
みそ...小さじ2強~3
作り方
(1)マッシュルームは根元を落とし、ペーパータオルで汚れを拭いて薄切りにする。
(2)鍋に水と(1)を入れ、ごく弱火にかけて10分ほどゆっくり加熱する。沸いてきたらみそを溶く。
マッシュルームはココがすごい
●高血圧予防に
腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制して尿中への排出を促進する「カリウム」を含有。
●腸活に
ビタミンB群の一種で脂質や糖の代謝や、腸のぜん動運動を促す「パントテン酸」も含有。
うま味の含有量はしいたけ以上!
世界中で人気のマッシュルーム
独特の香りと食感が楽しめ、うま味成分「グルタミン酸」の含有量が、しいたけの約3倍ともいわれるマッシュルーム。
いま、このマッシュルームを使って香りと味わいを高めた料理に注目が集まっています。
「マッシュルームは、60~70度でじっくり煮込むことでうま味のあるだしが出てきます。その分塩味を控えることができるので、健康的に楽しめます。生でもおいしく食べることができるマッシュルームは、さまざまな料理にアレンジできるすぐれもの。ぜひ、食卓に取り入れてみてください」(成澤さん)
《簡単おいしい! マッシュルームのレシピ3》
マッシュルームトースト
香り豊かなマッシュルームは、オリーブ油と相性抜群。切って、並べて、オイルをかけたらトースターで焼き上げるだけ。ヘルシーでおしゃれなトーストは、朝食やランチに。
1人分162kcal/塩分0.8g
材料(2人分)
食パン(8枚切り)...2枚
マッシュルーム...6個
紫玉ねぎ(みじん切り、普通の玉ねぎでも可)...大さじ2
オリーブ油...小さじ2
粉チーズ...小さじ2
塩...少々
イタリアンパセリ(葉を摘む)...適量
作り方
(1)マッシュルームは根元を落とし、ペーパータオルで汚れを拭いて薄切りにする。紫玉ねぎは一度水にさらし、しっかりと水気を切る。
(2)食パンの上に紫玉ねぎをのせ、マッシュルームを並べる。オリーブ油をまわしかけ、上から粉チーズと塩を振る。
(3)トースターで3~4分焼き、仕上げにイタリアンパセリを散らす。
マッシュルームおひたし
焼き目をつけたねぎとともにマッシュルームを蒸し焼きにし、香りとうま味を引き出した一品。ごく少量の塩味で十分おいしくなるので、塩分量を気にしている方にもおすすめ。
1人分34kcal/塩分0.5g
材料(2人分)
マッシュルーム...6~8個
長ねぎ...1/2本
芽ねぎ...適宜
サラダ油...小さじ1
(A)水...50ml
(A)しょうゆ...小さじ1
作り方
(1)マッシュルームは根元を落とし、ペーパータオルで汚れを拭いて4等分くらいにスライスする。長ねぎは3cm長さのぶつ切りにする。
(2)フライパンにサラダ油を熱し、長ねぎを入れて転がしながら焼く。長ねぎに焼き目がついたら(A)とマッシュルームを加えてふたをし、弱火で5分ほど蒸し焼きにする。
(3)火からおろしたら、そのまま冷まして味を含ませる。味をみて足りないようであれば塩少々(分量外)を振る。皿に盛り、あれば芽ねぎを飾る。
マッシュルーム炊き込みご飯
うま味と香りがご飯に染み込んだ、マッシュルームの魅力を余さずいただける一品。仕上げに粗びき黒こしょうを振ることで香りが引き締まり、おいしさがアップします。
1人分268kcal/塩分1.0g
材料(作りやすい分量)
米...2合
マッシュルーム...6~8個
酒...大さじ2
塩...小さじ2/3
粗びき黒こしょう...少々
作り方
(1)米は洗って30分浸水し、ザルに上げる。
(2)マッシュルームは根元を落とし、ペーパータオルで汚れを拭いて薄切りにする。
(3)炊飯器の内釜に米、酒、塩を入れ、2合の目盛りまで水を注ぐ。米の上に(2)をのせて炊飯する(あれば炊き込みご飯モード)。
(4)炊き上がったらさっくりと混ぜて器に盛り、粗びき黒こしょうを振る。
取材・文/和栗 恵 撮影/齋藤ジン 栄養計算/成澤文子