湿度が高い日本においてダニがいるのは当たり前。そして夏はダニの繁殖期です。近年、アレルギーになる人が増加傾向にある中、その原因となるダニ対策が重要になります。今回は、NPO法人東京アレルギー・呼吸器疾患研究所所属の白井秀治(しらい・ひではる)さんに「ダニが嫌がる! 夏の室内掃除3つのポイント」についてお聞きしました。
【前回】「ダニ」は夏のふとんが大好き! 効率的なダニ退治方法は? 専門家に聞いた「ふとんのお手入れ5カ条」
ダニが嫌がる! 室内掃除の3つのポイント
【Point1】掃除の優先順位を決める
ダニ対策を考えたときの掃除でどこを重点的にするかは、暮らし方やインテリアなどによって違います。「家族が長く過ごすところ」「ダニがいやすい場所(ふわふわしたもの・人の動きがある)」などを確認して、重点的に掃除すると効率的です。
優先順位をチェック
1.滞在時間が長い部屋、よくいる場所は?
(例:寝室、リビング、ベッド、ソファ)
2.ふわふわでダニが隠れやすいものは?
(例:ふとん、クッション、ぬいぐるみ)
3.人やものの動きが多いのは?
(例:ふとんの上げ下ろし、クッションを動かす)
棚の裏などのホコリにもダニはいますが、人との接触が少ない場所より1~3を優先的に。
【Point2】床面もゆっくり掃除機がけ
ラグなどの敷物や畳などの床面にはふとんと同じく「1平方メートルあたり20秒」で掃除機をかけましょう。フローリングなら不織布ワイパーでもOK 。クッションや布のソファにも掃除機をかけます。
【Point3】天気がいい日は換気を心がけて
換気して湿度が低く保たれた住宅ではダニが少ないという報告があります。天気がよく乾燥した日は、空気の入れ替えをしましょう。大事なのは窓と部屋のドアを開けて空気の通り道をつくること。掃除機がけのときも、舞い上がったホコリを外に出すために換気を。
《ミックス粉は冷蔵庫で保管》
怖い「パンケーキシンドローム」
袋の封を開けて常温で保管したホットケーキ粉やお好み焼き粉などを調理したものを口にした人が、顔が腫れるなどの重篤な症状のアナフィラキシーを起こした事例があります。ミックス粉で爆発的に増殖したコナヒョウヒダニが原因。調理で熱すればダニ自体は死滅しますが、ダニのアレルゲンとなるものは残っています。
小麦粉だけだとそこまでコナヒョウヒダニは増えませんが、ミックス粉は使い切るか、封をしてから冷蔵庫で保管を。
取材・文/米原晶子 イラスト/しまだなな