ポジショニングがわかる「4象限」タイプの作り方/2軸思考

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「頭の中がごちゃごちゃで、仕事が前に進まない」「次から次へと問題が起こってスケジュールが遅延している」...こうした複雑な問題を一瞬でシンプルにしたいなら、紙に、2本の線を引いてみてください。

本書『2軸思考』で、あらゆる問題をタテとヨコの2軸で整理して考える方法を学び、最速の時間で最大の成果をあげていきましょう! 今回はその16回目です。

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前の記事「2軸思考の基本「マトリクス」タイプの作り方(2)/2軸思考(15)」はこちら。

 

ポジショニングがわかる「4象限」タイプの作り方

[ステップ 1]考える目的に合わせて枠のタイプを決める

4象限タイプは、2本の線を引いて真ん中で交差させることで4つのセグメントを作り、「ポジショニング」や「全体の分散の傾向」を捉えるものです。4つの象限の枠がそれぞれに意味を持つので、整理や分析の結果から次の戦略が明確になりやすいフレームワークです。

つまり、
・バラバラに散在している事象のポジショニングを整理したい
・どの象限にどのようにデータがまとまっているのか、散在しているのかを把握したい
・ポジショニングごとに戦略を考えたい、課題を洗い出したい
という場合にこのタイプを選択します。

 

[ステップ 2]タテ軸とヨコ軸を決める

4象限タイプも、マトリクスタイプと同じようにタテ軸とヨコ軸には「要素」か「流れ」を設定します。

マトリクスタイプでは、多くの要素を洗い出してからそれらの要素を整理・分析してタテ軸・ヨコ軸を設定しますが、4象限タイプでは、最初の段階で多くの要素から2つの要素だけを選択して軸にします。

どの要素を軸にするか、その選択の良し悪しによって得られる結果は異なります。そのため、マトリクスタイプより少し難易度が上がります。

とはいえ、あまり気負う必要はありません。うまく整理できないようなら、軸を変えてみたり、一度マトリクスでまとめてみてから4象限にまとめ直してみてください。

私自身も、最初の軸の設定がいまひとつでやり直すことはいまでもあります。トライアンドエラーでその精度を高めていく、というくらいの気持ちが大事です。逆に、途中で「軸の設定に失敗したかな」と思いながらも作業を継続した結果、思いもよらなかったいい結果が得られる場合もあるくらいです。

4象限タイプで軸を設定するときのポイントは次の通りです。

・最初に「仮説」を立てる
4象限がマトリクスよりも難易度が高い一番の理由は、軸を決めるときに「仮説思考」が必要だからです。先ほど説明したように、多くの要素から2つの軸に絞り込むので、その絞り込みのときに仮説思考を使います。

たとえば、全国にある店舗のデータを分析するとき、マトリクスであればタテ軸に店舗名、ヨコ軸に売上、利益、店舗面積、地域の経済状況、店舗運営コストなどのデータをMECEで並べていきます。しかし、4象限の場合はパラメータを2つ(タテ、ヨコひとつずつ)に絞る必要があるため、「店舗面積が広いほうが売上が良いのではないか。タテ軸に店舗面積、ヨコ軸に売上を置いて調べてみよう」などと仮説を立ててから軸を決めます。

 

・上と下、右と左には「正反対の要素」を入れる
4象限タイプは、タテとヨコの軸が真ん中で交差するので、上下・左右で正反対の意味を示すということがポイントです。売上が「多い・少ない」、店舗面積が「広い・狭い」、時間の流れだと「過去・未来」といった具合です。それぞれの軸で正反対の意味を持たせることで4象限の位置づけを明確に分けることができます。

 

・右上に「良い要素」、左下に「良くない要素」を入れる
基本的には、右と上にプラス評価となるものを設定します。つまり、左下に位置するものが最もダメなもので、右上に位置するものが最も良いものという位置づけです。

これは私たち人間の「感覚」とマッチします。「右肩上がり」という言葉があるように、右上に行くほどいいというのは世界共通のイメージです。

 

・初心者は、4象限以上禁止
4象限タイプは、タテとヨコにさらに1本ずつ線を引くと9個の象限を作ることができます。

9象限タイプのフレームワークの例としては「GEのビジネス・スクリーン」があります。その名の通り、GEとマッキンゼーが開発した、9つの象限を使って企業の評価を行うためのフレームワークです。

タテ軸に業界の魅力度を取って高・中・低に分け、ヨコ軸に競争上の地位を取って強・中・弱に分け、計9つの象限の評価でアクションを打ち出していくフレームワークです。

ただ正直なところ、9つの象限を作っても人間の頭ではなかなかパッと理解しにくいものです。さらにもっと線を引けば象限をたくさん作ることはできますが、人間の理解の範疇から離れていく一方です。よほど細分化の必要性がない限りは4象限にとどめておきましょう。


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[ステップ 3] 枠に情報を埋める

マトリクスタイプと同じように、4象限タイプでもデータがあるときには数字で表せる定量情報を使い、アイデアを出したり、課題を洗い出したりするときには定性データを使います。

定量情報はテーマの対象としていることを数値データで示すので、主観性が入らない客観的な情報で整理することができます。一方、定性情報は主観が入りやすくなるという特徴があります。

マトリクスタイプでも解説しましたが、
・正確な情報を追い求めるなら「定量」
・多少正確さを欠いても、速さを求めるなら「定性」
という基準で、枠の中身の情報を決めます。
定量データが揃っておらず、定量データを揃えるのに過剰に時間が必要なときは、主観が混ざることを念頭に置きながら定性情報を埋めていきましょう。ブレインストーミングのように、先に空っぽの枠を作ってそこに要素を埋めていく場合は、当然中身は定性情報になります。

  

次の記事「変化を捉えるための6つの「グラフ」タイプの特徴/2軸思考(17)」はこちら。

木部 智之(きべ・ともゆき)

日本IBMエグゼクティブ・プロジェクト・マネジャー。横浜国立大学大学院環境情報学府工学研究科修了。2002年に日本IBMにシステム・エンジニアとして入社。入社3年目にしてプロジェクト・マネジャーを経験。その後、2006年のプロジェクトでフィリピン人メンバーと一緒に仕事をする機会を得る。2009年に役員のスタッフ職を経験し、2010年には 最大級の大規模システム開発プロジェクトにアサインされ、中国の大連への赴任も経験。日本と大連で500人以上のチームをリードしてきた。プロジェクト内で自分のチームメンバーを育成するためにビジネススキル講座を始め、そのコンテンツは社内でも評判となった。著書に『仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか?』(KADOKAWA)がある。

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『2軸思考』
(木部智之/KADOKAWA)


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