変化を捉えるための6つの「グラフ」タイプの特徴/2軸思考

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「頭の中がごちゃごちゃで、仕事が前に進まない」「次から次へと問題が起こってスケジュールが遅延している」...こうした複雑な問題を一瞬でシンプルにしたいなら、紙に、2本の線を引いてみてください。

本書『2軸思考』で、あらゆる問題をタテとヨコの2軸で整理して考える方法を学び、最速の時間で最大の成果をあげていきましょう! 今回はその17回目です。

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前の記事「ポジショニングがわかる「4象限」タイプの作り方/2軸思考(16)」はこちら。

 

変化を捉える「グラフ」タイプの作り方

[ステップ 1] 考える目的に合わせて枠のタイプを決める
グラフタイプは、2本の線を左下で交差させて「変化」を表したり捉えたりするためのフレームワークです。グラフは普段の仕事で見慣れているので「2軸」と捉えていない人が多いと思いますが、タテ軸とヨコ軸で構成される2軸フレームワークだということを意識してください。

グラフタイプは、たとえば、
・売上データを年ごとの時系列で分析する
・売上向上の3つのアクションの効果を示す
・店舗の売上構成の変化を捉える
などといった場合に使います。

グラフタイプは、3つの2軸タイプの中で最も「変化」を「視覚的に」捉えることに適したフレームワークです。もちろん、マトリクスタイプで年ごとの売上定量データをプロットし、変化を表すこともできますが、単なる数字情報の羅列なので量的変化をイメージすることはできません。グラフタイプを使うと視覚的に変化を捉えられるため、理解度やインパクトなどの面で大きく優位性があります。

グラフタイプも、4象限タイプと同じように多くの選択肢の中からいくつかの要素のみを選択するので、「仮説思考」が必要になります。一方で、いくつかのグラフタイプのフレームワークを作って複数の切り口から事象を分析すると、より多面的に事象を捉えることができるようにもなります。

 

[ステップ 2] タテ軸とヨコ軸を決める
グラフタイプは、時間経過とともに売上の遷移を示したり、アクションステップごとの効果を見える化したりするときに使います。

・基本は「ヨコ軸は流れ、タテ軸は大きさ」
基本は、流れをヨコ軸に設定し、タテ軸は量的な大きさを示す要素を設定します。マトリクスタイプで説明したように、一般的に流れはヨコ軸に設定するほうが頭に入りやすくなるのです。

・軸の向きは左→右、下→上が基本
軸の向き(ベクトル)は左→右、下→上が基本です。ヨコ軸に時間を取った場合、左から右にかけて時間経過を示すことになります。

タテ軸を定量的なデータとした場合、下が小さな数字で上を大きな数字にするのが基本です。ただし、コスト削減を表す場合などは例外。タテ軸を上→下という向き(ベクトル)としたほうが、「コストが減っている」ことを的確に表現できます。

この場合、見た目的には2軸の線は左上で交差しますが、マトリクスタイプの位置づけとなるのではなく、左下で交差するグラフタイプの交差ポイントが上に上がるだけという理解をします。

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[ステップ 3] 枠に情報を埋める
グラフタイプの一番のポイントは、どのグラフを使うか、です。グラフにはさまざまなタイプがあります。元が同じデータであっても、どのタイプのグラフで表現するかによって見えてくるものが違ってきます。ですので、実際には同じデータに対して複数のグラフを使い、切り口を変えた分析をすることも多くあります。

どのタイプのグラフにどのような特徴があるかを知っておくことが、問題解決を行う上で最も重要です。とはいえ、暗記しておく必要はありません。グラフの種類をうっすらとでも記憶しておいて、いざ使おうとするときに細かいことを調べて使えば十分です。

ぜひ、トレーニングを兼ねて同じデータからいくつかのグラフを作ってみてください。同じデータでも見えてくるものが違うということを実感できると思います。

私がよく使う6つのグラフを紹介します。
・ 折れ線グラフ:時系列でデータの変化量を見る際に使う。グラフの上下の動きで、変化の増減が可視化される。

・ 棒グラフ:タテ軸にデータ量を取り、グラフの高さでデータの大小を示す。データの大小の比較に適している。全国の店舗の売上データを比較するときなどに便利。

・ ヒストグラム:データの散らばりを見るときに使う。全体に対して、どのカテゴリのデータが多いのか、少ないのかがわかる。

・ パレート図:棒グラフで要因の大きさ・量を、折れ線グラフで個々の要因が全体に占める割合(累積比率)を表す。主要な要因を検出したり、優先順位をつける際に優位なグラフ。

・ 構成比率棒グラフ:グラフの幅を揃えて、内訳構成の差異を捉える。全国の店舗ごとの売上構成比を見るときなどに使う。

・ ウォーターフォールチャート:増加・減少を説明するのに適した可視化用グラフ。分析よりもプレゼンや報告資料に使うことが多い。

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次の記事「2軸思考するときにはエクセルでなく「手書き」で/2軸思考(18)」はこちら。

木部 智之(きべ・ともゆき)

日本IBMエグゼクティブ・プロジェクト・マネジャー。横浜国立大学大学院環境情報学府工学研究科修了。2002年に日本IBMにシステム・エンジニアとして入社。入社3年目にしてプロジェクト・マネジャーを経験。その後、2006年のプロジェクトでフィリピン人メンバーと一緒に仕事をする機会を得る。2009年に役員のスタッフ職を経験し、2010年には 最大級の大規模システム開発プロジェクトにアサインされ、中国の大連への赴任も経験。日本と大連で500人以上のチームをリードしてきた。プロジェクト内で自分のチームメンバーを育成するためにビジネススキル講座を始め、そのコンテンツは社内でも評判となった。著書に『仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか?』(KADOKAWA)がある。

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『2軸思考』
(木部智之/KADOKAWA)


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