ぼくが今オススメしたい映画と芝居はこの3つ/鎌田實

pixta_23341668_S (1).jpg

前の記事「映画や芝居を見ることは、彩りのある"素敵な無駄"/鎌田實」はこちら。

 

おもしろい作品が続々

ゴールデンウィーク後も、おもしろい映画が公開されています。中山美穂主演の『蝶の眠り』(5月12日公開)もその一つ。遺伝性のアルツハイマー病と診断された女性小説家の人生最終章の話です。ぼくはコメントを求められ、こんなふうに答えました。

「アルツハイマーになっても、小説を書くことも、人を愛することもできる。美しく、やさしく、可能性に満ちた映画だ」

主人公は、小説家志望の韓国人留学生と恋に落ちます。目を見張ったのは美しい図書館。著者やテーマごとに本を分けるのではなく、表紙の色合いで並べられた書架は、背表紙の色のグラデーションが見事なのです。

『ダリダ~あまい囁き~』(5月19日公開)は、世界中から愛されたフランスの歌姫ダリダの初めての伝記映画です。
ダリダといえば、アラン・ドロンとのデュエット「あまい囁き」が有名です。パローレ、パローレ、パローレと繰り返される歌詞は、青春のころを思い出します。

映画のなかでダリダは、哲学者ハイデッガーの本を読んでいます。「人間は死に向かって生きる存在だ」という言葉に対して、ダリダは「人間は愛に向かう存在だ」と言います。
その言葉どおり、ダリダはたくさんの人を愛しました。しかし、3人の男が自殺、ダリダの心は壊れていきます。

劇団唐組第61回公演『吸血姫』(下記参照)も見ものです。4月末に大阪で始まり、5~6月は東京の花園神社や雑司ヶ谷鬼子母神、その後、長野や静岡にも移動していきます。『吸血姫』は、唐十郎の71年の名作です。
 
たまには映画館や芝居小屋の異次元空間に浸ってみてはいかがでしょうか。そこには人生の彩りや発見があるかもしれません。


※毎日が発見ネット内に中山美穂さん、キム・ジェウクさんのインタビューと『ダリダ~あまい囁き~』の映画レビューが掲載されています。あわせてご覧ください。
映画『蝶の眠り』中山美穂×キム・ジェウクインタビュー
あのヒット曲を歌った歌姫の、知られざる恋と苦悩とは?『DALIDA~あまい囁き~』【映画】

714C9vjolGLkarui.jpg

ダリダ~あまい囁き~

5月19日(土)より角川シネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ他全国公開。
配給:KADOKAWA
©2017 BETHSABEE MUCHO-PATHE PRODUCTION-TF1 FILMS PRODUCTIONJOUROR
CINEMA

714C9vjolGLkarui.jpg

唐組第61回公演「吸血姫」

6月16日(土)・17日(日)長野市城山公園、6月22日(金)・23日(土)静岡市駿府城公園。

 

【カマタのこのごろ】

さだまさしさんと復興支援
さだまさしさんが財団法人「風に立つライオン基金」を作った。僕はその評議員になっている。3月は2人で水害のあった福岡県の朝倉市にチャリティーの講演とコンサートを行いに行った。そのあと水害があって家が壊されてしまった人を訪ねたり、仮設住宅の人たちを元気づけに行ってきた。つらい状況にいる人たちにできるだけ手を差し伸べたいと考えています。被災地のこと、忘れないでください。

1806p117_03.jpg

 

pic006.jpg
<教えてくれた人>
鎌田 實(かまた・みのる)さん

1948 年生まれ。医師、作家、諏訪中央病院名誉院長、東京医科歯科大学臨床教授。チェルノブイリ、イラクへの医療支援、東日本大震災被災地支援などに取り組んでいる。
『だまされない』(KADOKAWA)など著書多数。

この記事は『毎日が発見』2018年6月号に掲載の情報です。
PAGE TOP