文庫本の裏表紙のあらすじって誰が書いてるの? プロの編集者が明かす裏話

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書店で本を買う時に、裏表紙に書かれているあらすじを参考にすることってありますよね。見慣れた裏表紙のあらすじ(=ウラスジ)がどんなルールで書かれているのか、ご存知でしょうか? 今回は書籍編集者が語る"ウラスジ"事情をご紹介します。


ウラスジの知られざる世界

今年5月に放送された「タモリ倶楽部」(テレビ朝日系)では、大手出版社の編集者たちが文庫本の"ウラスジ"についてトークを繰り広げました。

そもそも誰がウラスジを書いているのかというと、専門の部署が存在するわけではなく文庫本の担当編集者が手がけています。文字数のルールは出版社によって違いがあるようで、文藝春秋では15文字×10行、新潮社は15文字×12行、KADOKAWAでは14文字×14行という決まりに。帯がかかった時に隠れてしまうため、決まった文字数からオーバーすることはほとんどありません。

番組では、ウラスジを読んでいるとたまに見かける、「...」や「―」といった記号についても話が展開。「...」は3点リーダー、「―」はダーシと呼ばれる記号で、文藝春秋では2マス続けて使用するというルールがあるようす。文藝春秋の児玉藍さんは、「どうしても文字が足りない時にこそっと入れて調整することもある」と明かしていました。

またシリーズものの書籍では、ウラスジの締めとして「〇〇なミステリー、第5弾」といった表現がよく用いられるといいます。1冊目でも、シリーズ化が決まっている場合は「〇〇シリーズ、開幕」といった表現をすることがあるそう。ほかにも編集者が使いがちな頻出ワードとして、「金字塔」「珠玉」「新境地」「○○必読」「異色の○○」といった言葉があることも紹介されていました。

普段はあまり触れることのできない"ウラスジ"事情に、視聴者からは「新境地とか異色とかたしかによく見る! ついつい手に取っちゃうんだよね」「シリーズものは第何弾か書いてあると、何冊目かわかりやすいし読者の側からも助かる」と大きな反響が上がっていました。


売れ行きを倍増させる効果も!?

ウラスジは書籍の売れ行きを大きく左右することもあるようです。『最後の恋― つまり、自分史上最高の恋。』という恋愛小説のアンソロジーは、元々『最後の恋』というタイトルだったものが文庫化にあたってサブタイトルを追加されることに。それに伴って新潮文庫のウラスジには、「最後の恋、それはつまり、自分史上最高の恋。」という一節が綴られました。新潮社の髙橋裕介さんによると、同書のウラスジが大反響を呼び単行本から売り上げが38倍もアップしたそう。

ちなみに髙橋さんによると、同書の担当編集者は"断定"するのが得意技。同じく新潮文庫の『陽だまりの彼女』という小説では、「女子が男子に読んでほしい恋愛小説No.1」という文句を使用。実は客観的なデータがあるわけではなく編集者が勝手に断言したフレーズなのですが、話題を呼び100万部を達成するほどの大ヒットにつながりました。

ウラスジには出版社や担当者によって様々な特色があるようす。本屋に行った時は裏表紙にどんな文章が書かれているのか、チェックしてみるのも楽しいかもしれませんね。

文/藤江由美

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