アンファー株式会社「石けんで洗って読む絵本"ウォッシャブル・ブック"」より
あなたは、一日何回手を洗いますか? 私たち日本人は、手にばい菌がたくさん付いていることも、手洗いによって病気を防ぐことができるのも、知らない人はほぼいません。
けれど、世界にはそれを知らないばかりに、肺炎やマラリアなどの感染症によって、将来を奪われてしまう子供たちも多くいるのです。そんな子供たちの未来を救うために考えられたのが、世界初の「石鹸で洗って読む絵本」です。
手洗いで子供たちに明るい未来を
予防医学のアンファー株式会社は、2017年10月からカンボジアの子供たちに石鹸を贈る「SAVE SOAP プロジェクト」を行っています。その一環として「石けんで洗って読む絵本"ウォッシャブル・ブック(Washable Book)"」が作られました。
ウォッシャブル・ブックに描かれているのはカエル・ウサギ・猿などの動物が、サッカーやままごとなどで遊んでいる白黒の絵です。これは、カンボジアの子供たちの、現在の日常を表現しているんだそうです。
そして、右ページに大きく描かれた汚れた手を、石鹸で洗って水で流すと、夢が叶った未来の様子が、鮮やかなカラーイラストで現れます。手を洗うことで、明るい未来を手に入れられるということを体感して、理解してもらうための仕組みです。
アンファー株式会社「石けんで洗って読む絵本"ウォッシャブル・ブック"」より
絵本には「カラー水透かし印刷」という最新の技術が採用されています。右ページには白色の特殊インキが塗られた紙が貼られていて、水に塗れると白インキ部分が透明になり、下の絵と重なって見えるようになるのです。
楽しく手洗いをする工夫を
カンボジアの子供に限らず、私たちにとっても、感染症予防のために手洗いをすることはとても大事なことです。けれど、小さい子供だと、手洗いを嫌がったり面倒くさがったりして、注意してもなかなか手を洗ってくれないこともあります。そんなときに、この絵本を見せたら、楽しく手洗いをしてくれるようになりそうですね。
ウォッシャブル・ブックは、現在のところ残念ながら一般の発売予定はありません。ですが、日本の、そして世界の子供たちのためにも、ぜひ商品化してもらいたいですね。
手洗いの道具としてだけでなく、お風呂や水遊びのおもちゃとしても需要がありそうです。この最新技術が詰まった夢の絵本で遊べる日を、期待して待ちましょう!
文/大内なつき